もうすぐ海外に売られる予定
セックスしたのは、引越しを終えて、一段落ついた時だった。要さんにも少し手伝ってもらっていた。
夕方、食事の頃になって何か用意しようと思ったんだけど、
まだ食器類なんかも散乱していたし、テーブルがないこともあり、外食しようということになった。
近くには飲食店がいくつかあるので、その辺りに向かおうかという話の途中。
「…ホテル、行くか」
要さんがぽつっと言った。
最初、意味が理解出来なかったけど、それ以上なにも言わない要さんの顔を見て、察した。
ついに来てしまった。
この時、要さんには経験がない事は言ってなかった。
もう26歳。しかも風俗嬢で。
まさか、処女だとは思ってないだろう。
さすがに言えなかった。
処女で風俗嬢とか、どれだけ金欲しいんだよとか、思われそうで。
要さんには、好きだからこそ見せられない部分がたくさんあった。
一応、元彼の森山の話もしていた。でも、さすがに森山がEDだとは思わないだろうしw
….森山ははるかとかメグミとヤリすぎで私とした時たたなかったんだろうなー。と今となっては思うわけですがw
ホテルに移動し、食事をオーダーしたあとも、要さんのいるソファに座ることができなかった。
ラブホテルなんて、前の仕事の時には何度も行ってた。でも、プライベートでは当然初めてだった。
緊張して、落ち着かなくて、そわそわ動き回っていた。
「落ち着けってw」
後ろから抱きしめられた。
緊張でカチカチになってるのに気付いて、笑われた
「そんなに緊張しなくても。酷いことはしないよ」
落ち着け落ち着けって、何度も頭の中で繰り返した。
不倫で、処女なんて重すぎる。
絶対、悟られないようにしたかった。
食事して、お風呂入って、ベッドに移動した。
こういう時の作法なんて知らない。
お風呂から出る時も、タオル一枚でいいのかとか、化粧落とすべきかとか、髪の毛まで洗うのかとか、すごく考えたw
要さんはさすがに慣れた様子だった。
とりあえず備え付けのガウンを羽織って、部屋に戻った。メイクは落とさなかった。髪も濡らさなかった。
正解っぽかったw
ベッドに寝ている要さんのそばに行って、慌てて布団のなかに入る。顔だけだして、要さんの動きを待った。
私の様子がおかしかったのか、要さんはニヤニヤしながら枕元のスイッチで照明を落とした
薄暗い中で、要さんがこっちを向いて私を抱きしめた。
服越しの感覚とは違って、皮膚の冷たさを感じて変な気持ちになった。
要さんの顔を見ようと少し体を離すと、そのままキスされた。
目を閉じて、今までしてきたキスを思い出してた。
綺麗な気持ちでキスしたことなんてなかったなあ、好きな人とキスしたことなんてなかったなあって、この時、気付いた。
初めてのキスならよかったと思った。
恥ずかしくなってきた。
鮮明に思い出せるのが余計に恥ずかしいww
結論から言うと、まだ要さんとしかセクロスしたことがないからどういうのが普通とかわからないんだけど。
たぶん普通に、セクロスしました。
私はガチガチで力入ってるから、要さんは苦労してたけどw時間かけて、ゆっくりしてくれた。
挿れた時は、痛いー!!って思わず叫んだ。びっくりしてた。
終わってから「久しぶりだから痛かった」って言いわけしたけど…バレてはなかったと思うんだけど。
風俗の仕事をしてると、男性に対しての感覚ら普通の子よりもずれていくと思う。
性欲だけ、お金だけ、一度だけ、今だけの関係しか、それまでの私は知らなかったから。
セクロスしてからも不安になった。
これ一回で捨てられるんじゃないかって。
でも変わらず要さんからは毎日連絡がきたし、愛情表現も変わらずしてくれた。
幸せだと思ってた。
完全に好きになってしまっていた。
要さんとの時間が幸せでたまらなかった。
不倫だから、出来ないことももちろんたくさんあったけど、
不倫じゃない恋愛を知らない私には、さほど辛いことではなかった。
要さんとの恋愛が私の恋愛の基準になった。誰かと比べたりすることがなかったから、うまくいったんだと思う。
生活のこともあるし、母の事もある。
収入を減らすことはしたくない。
でも、要さんと一緒にいたい。
要さんは、仕事の事は気にしないと言ってくれたけど、そう言う話をした日、仕事してた当日に会ったりすると、決まって求めてくるようになった。
嫉妬で狂いそうだと言われた事もあった。
仕事を辞めるわけにはいかないけど、必要な分だけ稼げれば。
わたしは少しずつ、出勤を減らしていくようになった。
要さんは素直に、その状態を喜んでいた。
なにかあれば、頼ってくれればいいと言ってくれた。
でも、頼るつもりはなかった。
今まで、好きでもない人とお金での付き合いをしてきた分、
好きな人に、そんな風にお願いする事は出来なかった。
嫌われたくなかった。
ある日、母の誕生日近く。
ケーキを見ようとデパ地下をうろついていた。
要さんがいた。
その横には、たぶん要さんのお母さんと、奥さんらしき女性。
視界に入らないように少し離れて、三人の様子を見ていた。
みぞおちになにか埋まってるような感覚だった。ドキドキして、頭がシャンシャンしてた
要さんは、私が知ってる要さんじゃないみたいだった。
私といる時はいつもにこにこしてて、穏やかな表情をしてた。
私がなにか言っても、目を見て頷いてくれる。
でもその時の要さんは、すごく怖い顔をしてた。
お母さんが要さんに声をかけていても、そのままの表情で短い返事をしているだけだった。
奥さんは、要さんを見ることも、近くに行くこともなかった。
要さんも同じだった。
関係が悪いのは明らか。
幸せそうには見えなかった。
それでも、一緒に出掛けるんだなーって思った。やっぱり夫婦なんだなって。
一緒に出かけることなんてないって言ってたくせにね。
ずっと、要さんと一緒にいられるだけでいいと思ってた。
でもいつの間にか、要さんと一緒にいる人が羨ましくなってた。
一生、要さんと一緒にいられる約束が羨ましかった。
なにがあっても守られる立場の奥さんに、嫉妬するようになってしまってた。
要さんはつまらなそうな顔のまま、奥さんとお母さんについて行ってた。
私はたまらなくなって、その場から急いで立ち去った。
もうひとつ、引っかかった事がある。
奥さんは、どう見ても日本人じゃなかった。
その日の夜、要さんからメールがあったけど、私は返すことができなかった。
翌日、朝一番で電話があった。
無愛想な返事しか出来なかった。
それに気付いた要さんは、
今夜家に行くから。
と電話を切った。
怖かった。
言ったら、終わってしまうと思った。
私達の関係は不倫だ。
どんなに愛し合ってるふりをしてても、私が要さんの私生活につっこめば、要さんは
離れて行くと思った。
退屈な結婚生活を続けていくために必要とされてるだけなんだ、そんな面倒な女は嫌だろう。きっと、すぐに離れて行く。
気付いてしまったんだ。それが真実なんだって、頭の中がいっぱいになった。
一気に虚無感に襲われた。
それでも、要さんの事が好きでたまらなかった。
離れたくなかった。
こんな気持ちを言わずにいれば、隠していれば、一緒にいられるなら。それでもいいのかもしれない。
だけどそう思いながら、今まで通り要さんと楽しく過ごす自信はなくなった。
その日の夜は、私は終わらせるつもりで、要さんを部屋に迎えた。
「なにかあった?」
泣きはらした目をしてる私を見て、要さんはすごく心配そうな顔をしてる。
昨日みたいに怖い顔はしてなかった。
私は、なるべく普通の顔を作って、「昨日、デパートで見かけたよ」と言った。
要さんの表情が強張る。
「そうか…ごめん。辛い思いをさせたね」
要さんの言葉に、一気に感情があふれ出してきた。
「….つらい」
私はその場に座り込んで泣いてしまった。
もうおしまいだって思ったら、余計に涙が止まらなくなった。
帰ってほしい。今日のことは忘れて欲しい。
そう言いたかったけど、嗚咽が止まらなくて声にならなかった。
要さんは、私のそばに来て手を握ってくれた。私が落ち着くまで待ってから、話始めた。
仕事で出会った女性と結婚した。やっぱり外国の方だった。
要さんはその国の奥さんのご家族も、全ての責任を負っているとのことだった。
それが当たり前と思ってる国なんだそうだ。
国名は伏せるw
夫婦仲は、結婚からすぐに冷え切ってしまった。
この間一緒に出かけたのは、奥さんが一旦帰国するから、職場への挨拶だとかお土産とかを買うためだと言ってた。
そして、そんな状態になっても離婚しない理由。
全部、教えてくれた。
その場で、私も聞きたいことは全部聞いた。言いたいことは全部言った。
それでも要さんは、落ち着いてそれに答えてくれた。
不倫するような男の言葉なんて信用しちゃいけない。
そういう人の方が多い。当たり前だ。
だけど私には、それは嘘とは思えなかった。
自分や家族の幸せを守っている要さんに、あんな表情をさせている奥さんが許せなくなった。
その時は、それだけだった。
複雑な気持ちは残ったけど、
私の不安をちゃんと受け入れて、解消しようとしてくれた要さんの気持ちを、信じようと思った。
一緒にいたいと思ってくれている気持ちは、本当なんだって信じようと思った。
それからしばらくして、私は体調を崩してしまった。
ご飯も食べずにヘロヘロだった時には、貧血くらいにしかならなかったのにw
年齢のせいなのかなんなのかはわからないけどw
いきなり、夜中に血を吐いた。
これは鮮血だから内臓じゃない…手前だ、とか冷静に思ってたw
過食嘔吐してても、たまに血を吐くことはあったから。
でもその時は明らかに異常だったので、救急車を呼んで病院へ。そのまま3日ほどだけの入院になった。
これ、今でも原因はわかってないんだよねー。熱も出たけど、ウイルスじゃなかったんどよなあ。なんだろう。
退院してから、要さんが
「しばらくゆっくり過ごせばいい。その間の生活費は助けるから」
と言ってくれた。
申し訳ないとは思ったけど、体は限界だった。
仕事を休んでゆっくりした。
お金の心配も一応ない。母への仕送りは、貯金を崩せばなんとかなる。
一番のストレスは、要さんとのことだったのかもしれないけど….会いにきてくれるだけで、その時間はすごく幸せを感じてた。
症状が安定しないこともあり、2ヶ月ほど、そうやって楽に過ごした。
でもそろそろ戻らないと。
私は風俗嬢なんだと。お金を稼がないと。
母への仕送りが、私の一番の目的だっていうことは変わりなかった。
仕事に復帰した。
仕事に戻るってことを、すぐに要さんには言えなかった。
私が入院してる時、要さんはずっと、「仕事が原因じゃないの?」って言ってて
辞めてほしいんだなっていうのは、伝わってきた。
一緒にいる期間が長くなれば、独占欲が強くなるのは当然だ。
私もそれは実感していたから。
久々に戻った仕事は辛かった。
会いたかったよと言ってくれる指名客にも、イライラした。
でも、働かなくちゃ。他の仕事が出来ない以上、ここにいるしかない。
要さんには折をみて話そうと思っていたけど…
すぐに、要さんにはばれてしまった。
インターネットのある時代には隠し事は厳しいねw
要さんは、すごく辛そうな顔をしていた。
このまま、辞めてくれればと思っていたと。復帰する前には言ってくれると思ったから、そうなればきちんと話しをしようと思ってたと。
生活の全ては難しくても、普通の仕事に戻ってくれればそれのサポートはすると。
それじゃ足りない。私の生活だけじゃない。私には母親がいる。
愛情がないと言いながら、奥さんの家族は面倒みてるんでしょう。
私にだって助けたい家族がいる。でも要さんは、私の母を助けてはくれないんでしょう
無茶苦茶だとはわかっているから口にはできなかったけど、本心はそうだった。
私が風俗嬢なことはわかってたでしょ?私は要さんが既婚者だとわかっていて、ずっと我慢してるのに。
そんな嫌味も言ってしまった気がする。
この時は、冷静に話ができる状態じゃなかった。
特に私は。
結婚してるくせに、私を縛るな
とか、
結局奥さんが好きだから、離婚しないんでしょ
私の責任をとるつもりがないから、結婚を言い訳にしてるんでしょ
とか。
結婚してる人とわかっていても付き合ってたのは私。
好きになったのは私。
初めの覚悟では気にしないって思ってたのに、いつのまにかそれにこだわって、それしか考えられなくなっていた。
この頃は狂ってしまっていたように思う。
その日は話がまとまらなかった。
後日、もう一度要さんが話しをしにきた。
そんな状態でも、要さんは私と別れようとはしなかった。
私もやっぱり、別れられなかった。
要さんは月々の援助、
合わせて、私は昼の仕事に戻ることにした。
それでは当然、今までの稼ぎに届くわけがなかった。
母には、仕送りを少し減らしていいかと確認した。辛かった。こんなこと言うなんて。
私は、母より男をとったんだと。
その人は、私の将来には何の関わりもないだろう。母は会うことも、話しをする事もない。
なのに私は、今のこの時間だけを、その人と一緒にいることを選んでしまった。
母を裏切った。
そんな気持ちだった。
母は、少しがっかりしているように見えた。
でも、わかったと言ってくれた。
内心、風俗から離れたいという気持ちもあった。
好きな人が出来てしまったら、私にはこんな仕事は無理だ。
あれだけ、この仕事しか無理だと思っていたし、一生、この業界で生きていこうかとも考えていたけど。現役は無理でもねw
男一人でこんなに変わるんだなって、過ごし寒気がした。
だけど、要さん以外の人に触られるのは、吐き気がするほど気持ち悪かった。
彼氏持ちの風俗嬢は多いけど、尊敬する。
私は散財するタイプではないからそれなりに貯金もしていた。それがあれば、しばらくは安心だろうと思ってた。
でも、その貯金を失う時は一瞬だった。
母の借金の返済につかった。
母というか、正確には父だと思うんだけど。
父の借金を背負った母が、返済のためにお金を借りていた。
今までの仕送りは、全てではないにしても返済にも当てていたようだけど、
手元にお金がある時、貧乏暮らしの長かった母は使いたくなっちゃったんだろう。
ぜんぜん、返せてなかったwww
わたしは順調に返済していけてると思ってたんだけど、ふたを開けてみると、予想以上に残っていた
月の仕送りがこれから減ると聞いて、母も焦ったようだけどもう手遅れだったと。
ごめん、と泣きつかれて、私も泣きそうになった。
怖いところで借りているわけではなかったけど、それでも利子はつく。何千万とかいう額でもないけど、母や、バイトの私にとっては、何年分の年収だよって話だった。
だけどこれ以上、返済が長くかかれば、手に負えなくなるんじゃないかと。
私は風俗をやめたことで、そういう金銭的な将来への不安が大きくなっていた。
また、昔のような貧乏生活に戻ったとしたら?そこから自分たちがどう生きていけるのか、想像できない。
毎月、なんてまどろっこしかった。
これで払ってくれと通帳を渡した。絶対引き出すな、そのまま借りてる数社に振り込めと。
この時ばかりは、母を殴りたくなったw
でも、今までいっぱい我慢してたのはわかってるから、責めることはできなかった。
私が甘やかしたせいもあるんだと。
この頃には、私は母との距離を冷静に見ることが出来始めていた。
二人でくっついて暮らしてきた。苦しいことは、助け合って当然だって、
そういう気持ちで、母とは支え合っていければと思いはじめていた。
要さんとの関係はうまくいっていた。
私は、昼の仕事を見つけて、やっぱる上手ではなかったけど、なんとかなってた。
職場の人とも、馴染むことができた。
職場の環境も良かったのかもしれないけど、要さんと一緒にいるようになってから、人間関係の形成?が少しずつ出来るようになっていた気がする。
貯金もないし、必死でやるしかなかった。
要さんからは家賃と光熱費、携帯代が払えるくらいの額がもらえてたかなー。
昼間の仕事で、食費や母へのお金。余ったら貯金
そんな感じで、余裕なんてちっともなかった。
でも、少しずつ、自分の中に溜まっていってしまってたんだと思う。
要さんとは小さな喧嘩をするたびに、要さんが結婚してるからこんな事になるんだって思ってた。
毎日家に来てご飯食べて、半同棲みたいになってて、それでも泊まることはなくて、帰っていく。奥さんのところに。
それが、どんどん耐えきれなくなった。
それに合わせて、母から電話するたびに言われること。
「正社員にならないのか、結婚しないのか、もっと稼げる仕事はないのか」
私の幸せを考えての事だとはわかってる。
だけど、その時の私にはプレッシャーでしかなかった。
毎日イライラしてたし、またご飯食べられなくなったり、すごく不安定な時期になった。
それを支えてくれる要さんの事、お前のせいだろって頭の中でずっと責めてた。
昼の仕事で失敗して落ち込んでる時も、お金がないーって頭抱えるときも、なんでも要さんのせいにした。
要さんがいなければ風俗やめなかったのに。お金なくならなかったのに。お母さんも幸せだったのに。
要さんが結婚してなければ、こんなに寂しい思いしなくて済んだのに。
私をこんなに苦しめてるのに、自分は家族がいて。私はこのままだったら一生一人なのに。
奥さんには要さんがいる。奥さんの家族も要さんがいる。一生、安心していきていけるんだろう。
でも私には誰もいない。私のお母さんには誰もいない。頼れる人なんていない。自分の体で稼ぐこともできない。
守りたいものがあるのに、今の私には守れない。
要さんへの苛立ちと、
奥さんへの嫉妬と。
じぶんのしていることは棚に上げて、要さんを責め続けた。
壊れてから立て直すのは相当な気力がいる。今までの自分の経験からわかっていたのに。
ずるずると、その感情に飲まれていった。
鬱々と考え込むことが多くなって、
一番身近な要さんに矛先をむけてしまった。
要さんのせいでこんなことになった
私の時間を返して
私は要さんのために仕事を辞めたのに、要さんは結婚をやめないなんておかしい
マジキチw
なにが原因で私がそこまで壊れたのかはわからないけど、ふとしたきっかけでそういうスイッチが入ると、要さんを激しく責めた。
それでも要さんは私から離れようとはしなかった。ごめんと繰り返してた。
自傷行為もまたはじめてた。
今度は死ぬためじゃなく、人に辛いことをアピールしたかったのかもしれない。
傷口を人に見せるようなことはしないけどねw
そうやって、自分を痛めつけてる自分に酔ってたのかな。
増えていく傷を見て、かなめさんが泣いていたこともあった。
それでも、やめられなかった。
そのうち、要さんが家にきてもあげなくなって、
昼の仕事にもまた行けなくなって
まったく何もない状態になった。
残ってた何年前かの睡眠薬で何日も寝続けて、ほぼ飲まず食わずで数ヶ月。
起きてたまに買い物とか行くんだけど、歩くたびにふらふらになって、クッキーとか
乾き物買ってたまに食べてたくらい。
家賃は、要さんが律儀に振り込んでくれていた。
要さんからは毎日電話とメールの嵐。
心配してる、きちんと話をしたいということ、まだ好きだと、たくさん届いていた。
気が向いた時にだけ生きてることの連絡をした。
会うのは怖かった。
会ったらまた、傷つけると思った。
本当は私も好きで好きで仕方なくて、
付き合い始めの頃みたいに、先のこと考えずに一緒にいられれば….なんてよぎったりもした。
でも、今の私にはそんな余裕はなくなってしまった。
そんな日々が続いてた時、母から電話がおった。
最近どうしてる?大丈夫?って。
私は泣きながら、つらいつらいと繰り返した。
帰れない、でも一人でも生きられない。
要さんのことは母には言えなかったけど、私には誰もいないのにと何度も何度も叫んだ。
話が出来ないので電話を切り、そのあとは母とメールを話をした。
母は自分のせいだと苦しんでいるようだった。
また。また私は、母を苦しめてしまった。
何度もやり直そうとしても、やり直せない。
同じ事をくり返す。
同じ失敗を繰り返して、新しい失敗も増やしてしまって。
死にたい。でも、死ぬ気力も残っていない。なにもできない。
どこから自分の人生が狂ったのか、ぼんやり考えていた。
すべて、私の弱さが招いた事なんだと気付いた。
学校にいかなかったのも自分。
仕事できなくて諦めたのは自分。
風俗に逃げたのは自分。
不倫したのは自分。
全部、私が悪い。
母っていう存在に依存して、
病気を言い訳にして、
風俗に逃げて、
要さんの立場を責めて、
私が被害者だって顔してた
でも全部、私が選んだ事なんだ。
選択肢を間違え続けて、こうなったんだ。
そう理解してからは、
自分のすべてが間違いに思えて怖かった。
なにもすることができなくなった。
たとえば、スーパーでお茶を買うだけでも、どれを選ぶのかって10分くらい考えたりした。
なんとか口にした食事も、食べてから急にそれが食べてはいけないものだったような気がして、嘔吐したり。
毎日、そんな状態だった。
私のこの状況を、母は悩んでいた。
でも他人には話せない。
母の、私以外の身内は、おじしかいなかった。
母は、ついにおじに相談したようだった。
おじもその頃は、倒産から少しずつ立ち直りかけていた頃。
やっぱり器用な人なんだなーと思う。
大きな損害があったわけではないのかもしれないけど、数年でしっかり体制を立て直していた。
おじが、私の一人暮らしの家にやってきた。
掃除もせずにいたので部屋は埃っぽくて、おじは顔をしかめてた。
要さん以外の人がうちに入るのは初めてだなー。しかしおじさん、老けたなー….とかぼんやり考えていた。
おじは、鬱陶しそうな表情で私を見た後、昔のまま、当たり前のような口調で言った。
「俺は海外で仕事を新たに始める。お前もこんなクズみたいな生活ではいけない。うちにきて、働いてもらおうと思ってる」
ぼんやり、私を、どうしたいんだろうなーって思いながら聞いてた。
おじは私を見捨ててないんだなーって
身内だから、少しは可愛く思ってくれてるのかなって。
のん気に考えていた。
「まだ段取りが出来ていない。一ヶ月二ヶ月先の話ではない。まだ時間はある。すぐに動くことはできないだろうが、準備をしておけ」
返事もできなかったけど、おじはそれだけ言って帰っていった
でしたー。
というか私の血縁って母かおじしかいないんだw
なんの因果か、行き先は要さんの奥さんの母国だそうだ。
嫌だな。忘れたいのに、その国にいるってだけで、要さんの事が頭から離れなくなりそうだ。
今は、要さんのくれたものとか、置いてた部屋着とか、処分していってる最中。見ると会いたいくなるし、つらくなる。
相変わらず連絡が来るけど、もう会う気にはなれなさそう。
家賃の連絡と、ごめんなさいくらいはしておきたいかな。
要さんが悪い奴なのは間違い無い。
たぶん奥さんはフィリピン人。どこで知り合ったか知らんが、
結婚までしていまいながら日本人の若い女が恋しくなって
不倫してるとか浅はかで無責任すぎる。
金持ってる社長だからってなんでもありか?
誰が誰に依存しているかというと、>>1の周りの人間が
>>1に依存して生活しているような印象。昔からずっと。
そりゃ、これだけの人に依存されてりゃ辛いわ。
>>378
おー、いいとこつきますね。
ノーコメントで!w
若いうちから結婚してたらしいから、言い方悪いけど退屈になったんだろうね。
事実だけ並べれば、遊ばれてたとしか言いようはないんだけど。
本気で愛されてた瞬間もあったと思いたい。
依存されてたのかなー。
それくらい頼りにされて、求めてもらえてたのなら、それはそれで嬉しいよ。
本気でつらいけどねw
おじと話してから、一ヶ月と少し経った。
何もかもどうでも良くなって、少しずつ食事も片付けとかもできるようになってきて。
気が楽になったわけではないけどなんか誰かと話したくて
でも誰にもこんな話できないしw
海外に行くなら、ここでの事はリセットできるかな。
でも忘れたくないし、全部が悪いわけじゃないと思った。
少なくとも、幸せだって思った瞬間もたくさんあった。
可哀想って言って欲しいのか?みたいなレスもあったけど、そんなつもりはない。
他の人の方が苦労してるってレスにも同意。
後半なんか特に、私クズすぎてw
批判されるのもしねとか言われるのも承知で書いた。
不倫してる時点で、庇ってもらえる要素なんてないことは理解してるつもり。
書いてて自分でも痛くて、思わず急ぎ足で書いてしまったわけなんですが。
でも、私も辛かった。わかって欲しいわけでもないし、同情もいらない。
辛かったこと、私は私なりに精一杯やってた事とか、どこかに残しておきたかった。
誰も見てくれなくても、日記とかでもよかったのかなとも思うけど
私が書いたって知られるのも嫌で。
自分の姿を文字にして見てみたかったのかもしれない。本読むの好きだしね。
私の半生の全てを知ってるのは、これ読んでくれた人だけだw
これから先も、全ての話を一人の人に打ち明けることはないだろうな。
長かった!お付き合いいただいてありがとう。しえんありがとう。優しい言葉をありがとう。
なんか書き忘れとかうまく伝えられてない事とかあるかもしれないけど、もういいかな。
おつかれー
半生一部除くだよねw
この経験を生かすも腐らせるも自分次第
海外へ行けばリセットっていうのは甘いと思うけど
いい転機となることを望んでます
伯父にぶたれたら
ぶちかえせばいいのにとも思います
実際ぶつと問題があるので何かしら報いてほしいw
自立は大変でしょうね
自立のなんたるかを追う人生かもしれないですね
>>383
ありがとうございます。
そうですね、リセットは甘いか。
でもここまでの私を知られるのは嫌だから、それを知られることのない場所で暮らすのは、少しだけ気楽かもしれない。
自立って、どうすればいいんでしょうね。
でも自立するしかないもんなー。がんばろう。
自立した頃にはもう死ぬ頃なのかなぁw
経済的な自立はチョット置いといて
精神の自立とは何か
深く考え見つけることがあなたの幸せにつながると思います
同じ事の繰り返しの中で
いつかあなたの価値を自分で見つけられますように
>>391
ありがとうございます。
まずは、自分が出来る事を見つける。
あと、すぐに鬱にならないようにw
どうなってもいいとは思うけど、もう逃げるのは嫌です。
ありがとうございます。自分なりに考えてみます。
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