いじめられっこ卒業しました
ブスが登校してきた
目があった
俺はブスの「学校やめたらあかんで」の一言にだいぶ救われたから「おはよう」と挨拶したかった
しかし今挨拶してブスが巻き添えくらうのは絶対に嫌だったから
パッと目を反らした
DQN「もっと穴あけたろかwwwwwwwwww」
DQN「放課後またこいよwwwwww」
ブスが俺の机をトントンと叩いた
たぶんこの時机は雑巾臭かったはず
ブス「おはよ」
一瞬クラスがシーンと静まり返った
俺「……」
俺もびっくりして言葉がでなかった
ブスはそのまま自分の席についた
いや姐さんと呼ばせてください
担任が来てそのまま授業が始まった
昼休みになってDQN達が俺につか付いてくると同時にブスがやって来て、パッと俺の髪を乱暴に掴んでピアスのあいた耳をみてきた
ブス「なんでピアスあけたん」
DQNをチラッと見るとDQNがケータイをこっちにむかってヒラヒラさせてきた
そう、俺はちんちん写メをとられていたのだ
俺「病院で」
ブス「その“なんで”ちゃう。理由や」
クラスがざわついていた
猿は女子と話ながらチラチラこっちの様子をうかがっていた
今全部呼んできたんだがこれは酷い
>>1よくがんばったな
俺「…なんでって言われても…ピアス開けたかったから」
ブスはDQNを見た
DQN「なんやねんブス!!」
DQN「愛やなぁww好きなんかwwwww」
DQN「でもホモーwwwww」
ブス「……」
俺「ねぇ!ピアス売ってる店知ってる?」
俺は話をかえてブスに聞いた
ブス「………情けない」
ブスは俺を軽蔑の目でみて
自分の席に戻っていった
中ニ春です
てっきり高校かと思ってたわ
高二は現在形か
その後のクラスは、ざわざわしていた
俺はどのように行動すればよいのかわからなかった
あの場で女子(ブス)に「あのDQNにホッチキスでやられたんだ」って打ち明けることは
どうしてもできなかった
「変身」で主人公が途中で放棄した誇りというものを、
俺は主人公のように放棄しようと思わなかった
あの場でうちあけたところで
自分はみじめになるだけだった
いっそ言ってしまおうか
とも考えたがそれで解決される問題だとは思わなかった
虫のままで死にたくないってのが深いな。
猿は中1の時はクラスをしきっているDQNだったが
中2でクラス替えがあってからはホッチキスDQNがクラスをしきっていたため
もう止めようとすることはなくなっていた
ホッチキスDQNは気まずさを感じたのか
DQN「情けなwwwwwホモがwwwwwww」
とかギャーギャー騒ぎ出した
そして俺に近づいてきた
DQN「学校さっさとやめろよwwwwwwきもいねんww」
そういってボールを投げてきた
まるでリンゴを投げつけられた主人公のようだった
DQN「ブスはこんなやつが好きなんかwwwお前もモテて大変やな~wwwww」
DQN「おいブスwww好きなやつが殴られてるぞww助けてやれよwwwwww」
ブス「好きちゃうわ」
DQN「ブスとホモwwwww」
ブス「あんたら調子のりすぎ」
DQN「はぁ?」
DQN「お前ホモが好きなんだろwwwさっさと助けてやれよきめぇwwwwww」
ブス「違うっていってるやろ!」
DQN「ホモに振られたとか終わってんなwwwwwwww」
ブス涙目
俺「俺がブスを好きなんだぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!(絶叫)」
これは・・・
クラスはシーンとした
俺がこんなに大きい声を出したのは始めてだったからな
俺はブスの前までズカズカと行った
DQN「ギャハハハハwwwこいつ女やぞwww男ちゃうぞwwwww」
DQN「ホモまちがえとるwwwww」
俺「黙ってろ!!!!!人が告白してる時ぐらい静かにしておくれ!!!!!!!!!!!!!」
猿「しておくれって何やねんwww」
一瞬クラスが和む
かなりwktk
ブスを好きではなかった
しかし「俺にふられた」なんてレッテルをはられたらブスは確実に落ちぶれる
俺も最初にかんだだけで「ホモ」というレッテルをはられた今までいじめられてきた
俺は今まで耐えてきたが
たぶんブスは女子だし耐えられないと思う
俺はこんなやり方でしか
ブスのレッテルをはがす方法を思い付かなかった
ナニソレカッコイイ///
もちろん俺は今まで告白したことないし告白の仕方なんかわからない
テレビで芸人がやってる告白の仕方を見よう見まねでした
手を差し出して頭を下げて俺はさけんだ
俺「俺はブスが好きです!!!!!!!!!!付き合ってください!!!!!!!!」
ブス「絶、対、に、嫌!!!」
DQN「ギャハハハハハハwwwwww公開処刑すげぇwwww」
DQN「ブス最高wwwwwwwwwwww」
俺は黙って席に戻った
俺はふられたが、誇りを取り戻した瞬間だった
クラスのやつらはケラケラ笑っていた
違うクラスからも人は集まってきていた
ブスは英雄扱いを受けていた
2、3日くらいはその話でもちきりだった
相変わらず俺は蹴られたりしていた
しかし久しぶりに大声をだしたし
皆の耳に俺の声が届いたのは
中一の自己紹介の時以来だ
「変身」の主人公は自分が虫になってからは、ほとんど言葉を発しようとしなかった
自分の声は醜いし、周りに怖がらせたくなかったからだ
しかしあの瞬間
俺の声は確実に皆の耳に届いていた
俺は「変身」の主人公とは違う
虫だった俺は確実に人間に戻っていきつつあった
俺はもっと皆の耳に俺の声を届かせるのだ、そう考えた
授業中は先生に当てられる前に
わざと手を上げて質問に答えた
もちろん俺が古文を音読したりすると耳を押さえているやつもいたが、俺の声を耳にいれているやつらは確かにいた
俺は、はっきりと大きな声で答えた
かっこいいよ
次第に女子達が「告白したしホモじゃないやんwwwww」とかいいだした
俺は「ホモ」から「バイ」に昇格した
しかしボールを投げつけられたり蹴られたり罵倒されたりは相変わらず続いていた
その日の放課後
俺は自分の椅子に貼り付けられたスライムみたいなやつを必死で取って吹いていた
すると猿がきて俺の机の上に名刺を置いてそのまま帰っていった
ピアスを売っている屋台の名刺だった
カスだわーこいつらカスだわ
本当にカスという言葉がぴったりすぎる
もう1回言わせてくれ
こいつらカスだわ!!!!!
猿なりの優しさだろう
俺はお礼をいおうと思ったが猿は走って消えていった
一旦家にかえって財布に金をいれた
金は巻き上げられるから普段は持ち歩いていない
ポケットに300円だけはいれているが
その名刺に載っている地図の通りに行くと、名刺に載っているオッサンとおなじ顔のおっさんが立っていた
俺はおっさんに名刺を見せたらすぐ角に曲がったところにおっさんの屋台があった
俺はどれを買えばいいのかわからなかったから、おっさんに耳を見せた
俺「ピアス2つ買いたいがどれを買えばいいか分からないから選んでください」
おっさんは容赦なく店で一番高いやつを持ってきた
俺は思わず吹いた
俺は財布から2000円取り出した
(財布には3000円が入っていた)
俺「今これだけしかないからこれで買えるやつを選んでほしい」
おっさんは言葉が通じないのか
計算ができないのか
2つで2500円のピアスをもってきた
鼻くそみたいなちっちゃい丸のピアスだった
俺は2500円払ってピアスをかった
ついでに、おっさんにピアスをつけてもらった(ホモではない)
次の日学校に行った
猿にお礼を言おうと思ったが回りにホッチキスDQNがいたので言うのはやめた
お礼をいうタイミングをうかがったがなかなか言う機会はなかった
俺は考えた
授業中に手を上げて当てられたさいにわざと猿の前に消ゴムを転がした
そして消ゴムを拾いにいきしゃがむ際に猿の目の前で、耳に髪をかけた
それで消ゴムを拾い猿の顔をみてニコッと笑った
猿は気づいていた
その時だった
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません