高校のクラス全員で悪霊と戦った話させてくれ
続きが気になる
>>1です。
今日もあまり時間がないのでかけるところまで書いてきます。
松坂の案は、
100年分の寿命をクラスみんなで割り勘して、代償を払おうということだった。
なんとなく松坂の言いたいことは伝わるが、いまいちピンとこない。
松坂の案は、
この場にいるクラスメイト31人で、一人3年ずつ寿命を差し出す。
でもリア充が多く代償を払ったほうがみんな納得できるだろうから、
リア充だけ差し出す寿命は10年。
30人で90年と、リア充で10年。
俺たちの寿命合計100年を代償として払う。
寿命は魂に比べればランクが落ちるかもしれないが、キャンセル料としては十分なんじゃないか、
と松坂は言った。
たとえば俺が100歳まで生きる予定だったが、実際は97歳で死ぬ。
そういわれるとなかなか良い案だと思った。
これが成功すれば、ほぼ間違いなく卒業まではこれ以上犠牲を出さずに過ごせるだろう。
また、高校生の俺たちにとって老後の三年なんて想像できなかったこともあり、
クラスの全員がこの案にのった。
>>151
乙
待ってたよ!
そうと決まれば早速儀式の準備を俺たちは始めた。
クラスの女子に酒屋の娘がいたため、飛び切りの酒を用意するように指示。
高木を含む男子数名で儀式に必要な蝋燭、チャッカマンの買い出し。
他の残ったメンバーはリア充の指示の下、儀式に必要な特殊な五十音表を作る事となった。
準備が整い次第、会議室で儀式を行うことに決まった。
一度クラスはバラバラに別れ、各自で準備を行った。
俺は会議室に残って五十音表の作成を見ていた。
手伝おうとも思ったが、左手がほとんど使えないため近くの椅子に座って眺めていた。
俺がぼんやり作業を眺めていると、俺の左足首に激痛が走った。
思わず「ウッ」っと言って足を見ると真っ白い手が椅子の下から伸びていて、
俺の左足首をしっかりと掴んでいるのが見えた。
全身からサッと血の気が引いた感覚を今でも思い出せる。
俺は恐怖で後ろを振り向くことはできなかったが、間違いなく俺の後ろには女がいた。
恐怖のあまり声が出ずに「うあ・・う・・」みたいに口をパクパクさせていると、
女子の一人が俺のほうを見て悲鳴を上げた。
その悲鳴からクラスはパニックに陥っていた。
俺は後ろを振り返ることもできずに、混乱するクラスメイト達を見ているしかなかった。
逃げようとする者もいれば、腰を抜かして倒れこむもの、
松坂ですらどうしていいのかわからずに固まっていた。
そんな中で一際大きい女子の声がはっきりと聞こえた。
「あんたなんか大っ嫌いだ!!死ね!!」
その女子はそういってリア充をグーで思いっきり殴った。
一瞬場が固まった。
リア充を殴ったのは陰キャラのメガネ女子。
普段静かで声が小さい彼女の突然の行動に唖然とした。
リア充が口を開いて何か言おうとしたが、
言葉を発する前に「うるせえ!!」ともう一発殴られた。
空気が凍り付く会議室、女はいつの間にか消えていた。
これがリア充にとっての刺激ととられたのか、クラス全員にとっての刺激ととられたのかは分からない。
しかしこの女子の行動がみんなに刺激を与えたことで、女が消えたことは明白だった。
混乱してみんな固まっている中、松坂は
「準備急げ!!」と叫んだ。
そこから10分と経たないうちに外出していたクラスメイトは全員戻り、即儀式が行われることとなった。
儀式に参加するのはリア充、松坂、高木、俺だった。
他のメンバーは同じ会議室内で待機してもらっていた。
リア充が主体となって儀式を行う。
松坂と俺は女との繋がりが強いだろうということで抜擢された。
繋がりの強い俺たちが参加すれば女を呼び出せる可能性が上がるかもしれないからだ。
高木は数合わせ。
そして儀式がはじまった。
用意したろうそくに火を点ける。
リア充が酒をささげながら、女を呼ぶための詩をうたう。
女がくるまで同じフレーズの詩をうたいつづける。
しかし俺の左足には何の変化も感じられない。
10分くらい経過したころ、突然場の空気が重くなるのを感じた。
これは俺だけでなく、その場にいた全員が感じたらしく、全員が俺のほうを見た。
しかし左足には何の変化もない。
そもそも女が来たところで俺の足に変化があるのかどうかもわからないが、
この場に人ではない何かがいることはみんな感じていた。
おれはみんなに向かって「女かどうかわからない」と伝えた。
しかし、来たのが女であっても違う神であっても願うのは「平凡な学校生活」だけだ。
もともとそういう手筈だったため、みんな動揺することなく儀式は進んだ。
リア充が「平凡な学校生活」を願い、代償として
「リア充の寿命10年分とこの場にいる30人の寿命を3年ずつ、合計100年分の寿命」
をささげた。
儀式が成功ならろうそくの火が消えるはずだ。
しかし蝋燭は火が付いたまま折れてしまった。
一体なにが起こったのか、なぜ風もないのに蝋燭が折れてしまったのか。
様々な考えが頭をよぎったが、とてもまとまらなかった。
まとまる前に凄まじい悲鳴と共に、会議室の中心に女が現れた。
しかし今までとは様子が違った。
頭から血を流しており、服もところどころ赤く染まっていた。
女は「ぎゃあああああああああ」と叫びながら異常に長い手をバタバタさせていた。
真っ赤に充血した目を見開いて叫ぶ様は今でも時々夢に見る。
女はバタバタともがいていると思ったら、まるで今までそこに床がなかったかのように、
床をすり抜けて落ちて行った。
文章だと伝わりにくいと思うけど床に吸い込まれるように落ちて行った。
気付くと、折れても燃え続けていた蝋燭の火は消えていた。
どうやら儀式は成功したようだった。
ここからは後日談です。
この後、除霊できたのか確証が持てなかった俺たちは市内でもかなり大きい神社に向かった。
神主に今回の一件を話したところ、いくつかの疑問が解決した。
まず最初にリア充が呼び出した女について。
俺たちはてっきり神様だと思っていたが、話を聞く限りでは神ではなく強力な悪霊だったんじゃないかと言われた。
魂まで取ったところ、おそらくだが神になりたい悪霊だったのではないかと。
神ではなくても、神としてリア充の願いを叶えようとした。
しかし当然神ではないから使える力は限られている。
その結果、悪霊にできる範囲で刺激を与える結果が周囲の人の死だったのだろう。
おそらくだがクラスメイト全員での儀式では正当な神様を呼ぶことができたのだろう。
素人にはなかなか難しいらしいが、きっと酒がよかったからうまくいったのではないか。
呼び出された正当な神が、神になりすましている悪霊をみて地獄に叩き落したのだろう。
蝋燭が折れたのは悪霊が抵抗したから。
それでもみんなの願いは叶えられたから火は消えたのだろう。
神主の話はこんな感じだった。
あくまでも今回の1件を無理やり解説するとしたら、ということだった。
この後俺たちは平凡な学校生活を過ごし、卒業した。
リア充は周りからの目は冷たかったが、松坂が
「1件でもイジメがあれば平凡な学校生活とは言いがたくなってしまうかもしれない」
と言ったことで、特別イジメられることはなかった。
松坂はというと、科学部の部長のくせに今回の1件を受けて神道の道へと進んでいった。
除霊の電話をしまくったときに、誰も助けてくれなかったのが堪えたらしい。
「俺は助けてほしいやつに手を差し伸べてやりたい」とカッコいいことを言っていた。
俺は高校卒業後、短大へ進学。短大卒業後は市の臨時職員として働いている。
当たり前の、平凡な社会人生活を送っている。
松坂とはあまり連絡は取っていないが、先週に細木の墓に行ったときに松坂と再開し、
今回のことを振り返った。
そこでこのスレを建てようと思ったわけです。
>>165
乙乙
面白かったよ
この1件で失ったものはあまりに大きかったです。
でも死んでいったクラスメイト、担任の分も、三年短い寿命ではありますが精一杯生きていこうと思います。
最後まで見てくれた方、ありがとうございました。
今日はもう寝ますが、答えられる範囲で(特定されない範囲で)質問には答えるので
質問があれば書いておいてください。
それでは皆さん、良い人生を。
まぁおもしろかった
面白かった!
松坂かっけぇな
数日間楽しませてもらったありがとう
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