大嫌いだった従姉妹の話する
>>88
そうか。
俺は親戚づきあいが濃いからな。
年に2度は会うよ。
それはそれはとてつもなく羨ましい
急だけど中学時代はこれでお仕舞い
あとは気まずい関係のまま、何も無く中学卒業
卒業する時さとみに告白されたけど、断った
簡単に俺と従姉妹が行った高校を説明する
俺の行った高校、近所の工業高校で就職率100%という脅威の数字を誇る
部活もそれなりに強く、熱い青春を送れるのが魅力
けどヤンキーが多く生徒は男がほとんど、1学年に一人女子がいるかいないかくらいのレベル
先輩には逆らうな、がルールだった
従姉妹とさとみが行った高校、有名な進学校で、頭の良い奴はほとんどがここへ行く
男女比は4:6くらい、爽やかで健全な高校
クラスメートや先生は俺が工業高校へ行く事を驚いてたけど、止めはされなかった
ちなみに俺の高校と従姉妹の高校は車で30分ほどの距離
今は近く思えるけど、自転車しか交通手段が無かった当時はとても遠く感じたし
それ以前に従姉妹に彼氏ができたらどうしよう…ととても不安だった
1年のとき、その学校の雰囲気に馴染むことに集中、特に先輩に目をつけられないようにした
勉強は元々出来たこともあって上位をキープ、部活はもちろん卓球部で、どうしても先輩とプレイしたかったから必死でレギュラーになった
2年のとき、特になし、交友関係もそれなりで、部活も県予選を突破し四国大会へ
3年の春、俺はある人物と再会する
高校時代
3年になって、何故か俺は読書にはまっていた
元々本を読むのは好きだったけど、この時期が一番ハイペースで読んでと思う
図書館には部活が無い休日に、一週間毎に通っていた
その図書館でいつものように気になる本を探していると、急に声をかけられた
「あ、俺君…覚えとる?」
俺「………あー、えーっと、さとみ?」
さとみ「うん!覚えとってくれたん?久しぶりやなぁ!」
さとみだった
さとみも友達とよく図書館へ来ていたそうで、たまたま俺を見かけたから声をかけたらしい
さとみの友達は皆美人だった
当の本人も相変わらず美人で、天然で、小さかった
そして超意外なんだけど彼氏はいない、とのこと
工業高校選んだのを心底後悔した
従姉妹の事を聞いたら、あまり仲良くないからしらないって言われた
詳しく聞くと、高校へ入り話す事も少なくなり、お互い別々の友達ができたとか
少しショックだったけど、まあそれはそれでいいか、と思った
それから二人で近況を教えあって、また会うかもなって言って別れた
それからはよくさとみと会うようになって
その度お互いの友達がどうだとか部活が上手くいってるかとか話してた
夏休みになった
俺の最後の大会(団体)は県でベスト8、正直納得いかなかった
まあ先輩に頼りきったチームだったから、仕方ないけど
その時もさとみとの交流は続いてて
夏休みの始めに二人で遊びに行こうって話もあったけど、結局行かずに夏休みは終盤に差し掛かる
俺が図書館に行くと、いつものようにさとみが居た
俺「よう、また勉強か」
さとみ「うん、進学校は大変なんよー…」
俺「マジで大変そうやな、こんなん全然解らんわ」
さとみ「なー……あ!」
俺「?」
さとみ「そういえばな、気分転換にどっか行こうって話しがあるんやけど、行く?」
俺「え、行かんけど」
さとみ「えー何でよ、いこーだ」
俺「だって何所行くかも解らんしどうせお前の学校の奴ばっかだろ」
さとみ「場所はまだ決まってないけど、メンバーは………」
さとみが挙げたメンバーは、どれも中学時代の同級生だった
さとみ「な?いけるよな!」
俺「いやー…皆と会ってないし、何か俺一人浮きそうやけんなー」
さとみ「あ、そういえば従姉妹ちゃんも来るよ!」
俺「!」
これは俺の心を動かした
さっきのメンバーとは別段会いたいとは感じなかったのに、従姉妹だけは強く会いたいと思ってしまった
俺「んー………まあそこまで言うなら」
さとみ「ほんま!?やった!皆に言っとくな!」
俺はさとみにばれない様に、しょうがないから行ってやってもいいか、っていう雰囲気を出しながら答えた
そして家に帰って即カッコいい服を探したり髪型研究したりした
それから何回かさとみと会って、集合場所や何所へ行くか、皆の反応なども聞いた
当日、何故か図書館集合、俺は超早起きして何度も鏡で自分の姿を確認した
自転車で出発、ちゃんと10分前行動を心がけた
俺一人だったら暇かなー、でもどうせ10分くらいで皆来るだろ
何て考えてるうちに図書館へ着いた
さとみは、既に来ていた
俺が、「うーす、早いなー」って話しかけると
「まあ今日は私がリーダーやけんな!言う事聞かないかんよ?」って笑ってた
そんなくだらない話をしてる内にぞくぞくと皆が集まってきた
皆中学時代のノリとあんま変わってなくて、俺の不安は直に無くなった
従姉妹は最後に来た
その時に交わした会話は
「…おう、久しぶり」
「…うん」
だけだった
もっと話したいと思ったけど、気まずくて、照れくさくて、何も言えなかった
あ、上で皆って書いたけど、詳しくは8人、上手く男:女=4:4になってた
車は、さとみともう一人野球部だった奴が出してくれた
向かった先は水族館
インドアな俺には嬉しい行き先だった
水族館では8人で行動するのは流石に、という理由で4人ずつに分かれることになり
8人の内の4人は驚く事にカップル同士だという事で、
俺、さとみ、友達、従姉妹
他4人
の組み合わせになった
正直イチャイチャするのを見てると腹立つので、良い組み合わせだと思った
俺のグループは順路に沿って進んだ
他4人は、適当にぶらぶらしてくるって言ってどっか行った
魚の種類とかどの魚が凄かったとかは憶えてない
そんな事より、友達が従姉妹と仲良くしてて気が気じゃなかった
4人で回るはずがさとみ俺・友達従姉妹って感じで別れてた
さとみがつまらなそうにしてたから、申し訳ないな、と思って極力気にしないようにした
俺の予定では、
「うわーこれ綺麗やなー」
「ほんまやなー」
みたいに喋れるはずだったのに、何て言えばいいか解らないけどモヤモヤした物が俺の頭の中にあった
水族館では結局喋れなかった
昼食は女子陣が弁当を作ってきてくれてて、皆で食べる事にした
けど、女子二人が彼氏にばっかり食べさせるせいで、ここでもグループが別れた
俺は主にさとみのを、友達は従姉妹のを食ってた
正直「友達ウザイ」って思った、ゴメン
午後からは近くの海に行った
しかし海でも友達と従姉妹が楽しそうに泳いでた
泳ぎが苦手な俺はさとみとバレーしてた
夕方になって、流石に疲れた、もう帰ろうかってなった時に
さとみが「サプラーイズ!」って言って、車から花火を持ってきた
テンションだだ上がりの皆、さとみも鼻高々だった
皆まちまちに好きな花火を取り出して楽しんだ
手筒花火なんかは滅茶苦茶盛り上がった
この日初めて全員で遊んだ
夜が更けて花火も残り少なくなってきて、またグループに別れ始めた
やっぱり俺はさとみと居て、楽しそうにはしゃぐ従姉妹を見つめる事しかできなかった
俺が、ふとさとみに「喉渇いたな」って言うと気を利かせたのかジュースを買いに行ってくれた
一人になって、もう一度従姉妹を見てみるとなんと従姉妹も一人だった
俺が人生で一番勇気を出した瞬間かもしれない
線香花火を二本と、ライターを一個持って従姉妹に近づいた
俺「あれ、友達は?」
従姉妹「ん、ああ……何かジュース買いに行った」
俺「ホレ、勝負しようぜ」
従姉妹「…ええよ、望むところ」
さり気なく会話をする事に成功
話したい事は色々あったけど、踏み込んだ話はできず内容の無い会話ばかりしていた
やるな、正解
けど、それだけで嬉しかった
少し話せただけで、しかも内容はさとみと話した事と変わらないのに
明らかに何かが違ったんだ
海をぼーっと見つめる従姉妹に、俺は見とれてて
その時「ああ、好きだなぁ」って思った
恥かしいんだけど、上手く言葉では言い表せない気持ちになった
従姉妹「なあ、何でずっとこっち見てるん?」
俺「!」
ここで俺が従姉妹を見つめているのがばれた
言い訳を考えようとしたけど、パニックになって何も考えられなくなって
出た言葉が「い、いや、綺麗だなーと思って」だった
もちろん頭の中では滅茶苦茶自分に馬鹿!落ち着け!と言い聞かせてた
従姉妹は、最初驚いたような顔をして、また海を見つめて
「…ああ、たしかに海キレーやもんなぁ」と言った
俺はここで合わせておけば良いものを、何を思ったか
「いや、お前が」と言ってしまった
ここまできたらいっそ言ってしまえ!という思いがあったのかもしれない
従姉妹は何故か、三角座りの膝の間に頭を入れてそのまま動かなくなった
俺はああ、終わった…と思った
そしてしばらくして、やっぱり誤魔化そう、と考えた
俺「…なんてな、冗談な、冗談www」
従姉妹はそれを聴いた瞬間顔を少し上げて目を出して、無言で睨んできた
それにビビッて
俺「いや、ゴメン…綺麗なのはお前、恥かしかったけん誤魔化した」
と暴露した
我ながらとてつもなくカッコ悪いと思う
従姉妹「…どっち?」
俺「…お前が綺麗………でした」
従姉妹「………」
また無言になる従姉妹、気まずくなって余所見をするとさとみと友達が俺たちをを覗いていた
余計恥かしくなった
ふいに、従姉妹が喋りだす
従姉妹「…本気?」
俺「ん、さっきの綺麗っての?なら本気」
従姉妹「………うん、ありがと」
俺はここで「うわああああ可愛いいいいいいいいい」と叫びたかった
綺麗、と言った事で今ならなんでもできる気になってる俺
調子に乗って、色々言い出した
俺「今日な、なんでずっと友達とおったん?」
従姉妹「………」
俺「お前友達の事好きなん?」
従姉妹「……違う」
俺「お前一日中一緒におったくせに」
従姉妹「だってアンタとさとみがイチャイチャするけんだろ!」
従姉妹「そんなん話したくても話せるわけないし!」
俺「あ………ゴメン」
一応謝りはしたけど、この時俺は従姉妹が友達を好きじゃないと解って有頂天だった
アマゾンで頼んどいてやったから履いとけ
浮かれていると、今度は従姉妹が俺を責めだした
従姉妹「アンタずっと前からさとみとだけ連絡とってたんやろ?それも腹立つし」
従姉妹「それ以前に何で○高行ったんやし、普通こっち来るだろ!」
従姉妹「あの時も何も言わんとうやむやにするし!」
従姉妹「ってか今日やってさとみとばっかり楽しそうに話して、意味解らん!」
早口でダーッと言われたから、聞き取れたのはこれくらい
俺は従姉妹がこんな事考えてるなんて思いもしなかったから、ただ呆然として
俺「…ゴメン」
としかいえなかった
従姉妹「…まあ、それはもう許す、今更言ったってしょうがないし」
俺はここで滅茶苦茶安心した、しかしそれも束の間
従姉妹「で?あの時何言おうとしとったん?」
俺「………あの時?」
従姉妹「は?何とぼけとん?中三の時の夏休み!うちで花火した時!」
俺「…あー、オッケーオッケー、解った」
従姉妹「で?何なん?」
俺「………」
緊張した、けど、ここしかないって思った
従姉妹「………はよ」
俺「………好き、多分」
従姉妹「え?誰が?誰を?」
俺「俺が、お前を」
従姉妹「多分って何?」
俺「…多分じゃない、絶対、ていうかめちゃめちゃ好き」
従姉妹「………うん、よろしい」
ここで「何?誰が?誰を?」「多分って何?」って詰め寄られたのは超ハッキリ覚えてる
俺「…で?」
従姉妹「ん?」
俺「いや、返事」
従姉妹「…んー………内緒」
俺「お前ふざけとんか!」
従姉妹「あはは、ゴメンゴメン、からかっただけ」
従姉妹「…アタシも好き、多分」
俺「多分?」
従姉妹「もーうっさいなー、絶対!滅茶苦茶大好き!これで良い?」
俺「…おう、よろしい」
この時は平静を保つのに必死だった
あの時のリベンジをできたのが嬉しかったし、両思いになれたのも嬉しかった
何より従姉妹が可愛過ぎた
青春やなー
そのまま二人の昔の話して、まさかなーとか、全然予想できんかったわーとか言ってた
帰りの車では、行きと同じグループ分けだったけど
大きく違うのは俺の隣に従姉妹が座ってたってところだった
従姉妹は俺にもたれかかってスースー寝息立てながら寝てて、俺はドキドキして固まってた
それからはちょくちょく会うようになって、ゆっくり距離を縮めていった
デートもしたし、お互いのどこが好きか、何故好きになったか、みたいな暴露大会もやった
ケンカは全くしなかった、でも従姉妹はケンカをしてみたいみたいで「ケンカごっこしよーでー」とか訳わからないこと言われた
卒業後は、従姉妹は大学進学、俺は製薬会社に就職、とそれぞれの道を歩んでいた
ごめん、今日はここまで
思ったより早く終わりそう、後1~2日くらい
質問とかあれば、答えるかも
>>1の気持ち分かっててこれが目的だったのか
わからんけどさとみのお陰で付き合えたんだし、感謝してる
続きが気になって仕方ない
俺もこういう青春送りたかったなー
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