大嫌いだった従姉妹の話する
暇な人は聞いていってくれ
俺と従姉妹は同い年で、小さい頃からよく一緒に遊んでた
ただ、何歳の頃か知らないが
俺が紙に自分の名前を平仮名で書いて、従姉妹に自慢したらしい
それがウザくて従姉妹は俺が嫌いになったんだと
それからは会うたびケンカしてた
親同士が仲良くてよく家にいってたんだけど
できるだけ顔を合わせないようにしてた
二人で遊んで来いって言われたときは渋々一緒にいたけど
悪口言って、殴り合いして、変顔して、
あまりに酷くて幼稚園に上がる頃には親同士も仲悪くなっていった
落ちは結婚とみた
期待
俺の通ってた小学校には合同遠足ってのがあって、他校と一緒に遠足に行くんだけど
そこでもやっぱりケンカして、楽しみにしてた行事が台無しになった
後、俺はお化けが怖くて、超ビビリだった
従姉妹はそんな俺をからかうように髪を垂らして貞子のように脅かしてきた
それで俺が慌てて逃げてこけて骨折った事もあった
あ、年賀状だけはやけに仲良かったな
「今年もよろしくね!(ピース」
「また一緒に遊ぼうね!!」みたいに
まあ小さい頃の思いではそんぐらい
白血病で従姉妹死ぬんだよな
中学校は一緒だった
まあ俺の住んでるところは田舎なんで、近くに中学校が一個しかなかったから当たり前っちゃ当たり前
俺(うわー昼休みとか何したらいいんだろう緊張する…)
従姉妹「アンタ!テスト何番だった!?」
俺「…え、何で?」
従姉妹「いいから、早く!!!!」
この時が人生で一番怖かった、従姉妹は走ってきたのか息が切れてて、髪は山姥みたいにブワッと逆立ってた
俺「…2」
従姉妹「!……ふーん、やるじゃん」
これが中学上がって初めて交わした従姉妹との会話だった
後で聞くと従姉妹は1位だったらしい
>>3で俺がやった自慢の仕返しをしたかったんだと
1年は特に何も無く終わる
ただ従姉妹はまだ俺の事が許せてなかったらしく、事あるごとに悪口、陰口を言っていたらしい
そのせいで、1年の時の俺のクラスでの評価は最悪だった
面と向かって悪口を言わない従姉妹が、俺は益々嫌いになった
2年では、俺の後ろの席の野球部の奴に気に入られ
はれてリア充のグループへと加入する事に成功
ただ、弄られ約だったため常にだれかに弄られてた
従姉妹はバレー部に入り、セッターという大役を担っていた
この頃からお互い話をする事も会う事もなくなり、俺の従姉妹に対する嫌悪感も次第に無くなっていった
単にどうでも良くなった感じ
あれだけ嫌いだったのに、不思議だった
デレ期は……どうだろう
すまんがエロイ話はないぞ
二年の終わり、俺に好きな人ができた
その子は上品で、素直で、優しくて、ふわふわしてて、良く笑ってて、とにかく可愛かった
頭がいいのに天然って所も俺のタイプだった
外見は、今で言うと石原さとみと壇蜜を足して2で割った感じ
俺はどうにかして距離を縮めようとその子に積極的に話しかけた
休み時間の度に会いに行って、帰りは一緒に帰って、とにかく必死だった
当然、周りにはバレバレ、俺は否定していたが焼け石に水で
俺がさとみを狙ってるっていうのはクラス全員が知っていたと思う
中二にとって他人の恋バナは大好物で、
男子からは冷やかされ、女子からは好きなところを問い詰められる
それが余りにもしつこすぎて、一度マジギレしたら俺だけ先生に怒られた
しかし俺はめげずにアタックを続けた
そのおかげで、3年の春には友達以上カップル未満のような関係にまでなっていた
冷やかしも収まりつつあって、まあ幸せだった
ただ俺はヘタレだから中々告白には漕ぎつけられなかった
そんな関係がずるずると続いていったある日、事件が起こる
従姉妹の弟(当時小学校低学年)が足を悪くしたか何かで、車で2,3時間かかる病院で手術と入院をしなければならなくなった
弟君はまだ小さいから、母親が付いていなければならない
従姉妹は母子家庭で、そうなるとしばらくの間従姉妹は一人で過ごさなければならない
流石にそれは心配だ、という事で従姉妹を俺の家で預かる事になった
いとこ♀
これから
wktk
当時は、従姉妹はまだ俺を嫌ってるんだろうな、
またケンカするかもしれないなー、とか思ってた
けど、そんな事もなく、従姉妹は借りてきた猫のようになっていた
俺が何を言ってもそっけない返事をしたり、家族の前で気を使ったような笑顔をみせたり
俺はそんな従姉妹の事を可哀想に思い始めていた
そこで、何とかしていつもの従姉妹を取り戻そうと必死で頑張った
俺「なあwww」
従姉妹「……ん」
俺「ちょ、テレビ見てみ、あれめっちゃ面白いなwww」
従姉妹「そうやな」
俺「…そういえば、○○と△△がこの間馬鹿みたいなことしてなwww」
従姉妹「そうなん」
俺「あ、お前この前テスト悪かっただろ、俺より順位下だったろざまぁwww」
従姉妹「…うん、アホやな」
俺「最近バレーの調子はどうなん?ミスばっかりじゃねえの?」
従姉妹「………」
俺「………お、俺コンビ二行って来るけど何か欲しい物あるか?」
従姉妹「んーん、ない」
俺の力ではこれが限界だった
これが三日目くらい、この後も同じような事を延々と繰り返して
従姉妹が来てから丁度一週間が経った日、弟君に会いに行った
病院に着くまでの2~3時間、従姉妹は車の中でずっと俯いてた
俺はその間も騒ぎまくっていたが、効果は無かった
病院に着いて、弟君に会った瞬間従姉妹は元気になった
弟君は「何でねーちゃんこんな嬉しそうなん?」みたいな顔でぽけーっとしていた
手術はもう終わってるらしく、一週間入院の後帰れると言われた
従姉妹はずっとニコニコしてて、面会の間弟君から離れることは無かった
それから帰りの車でも家でも、従姉妹はニコニコしてた
俺は「何コイツ…何この表情…」みたいな複雑な気持ちになっていた
俺があれほど頑張っても効果はゼロだったのに、従姉妹の弟君好きは異常だ、と思っていた
ちなみに、俺が嫌われてるだけ、という考え方は全くしなかった
一方学校では、俺が浮気した、という噂が広まっていた
あれだけ必死にアタックしたさとみを放っといて
従姉妹と登下校したり、休み時間も従姉妹を励ましに行ったり
今考えれば浮気と言われて当然だと思う
けど、俺の頭の中には従姉妹を笑わす、という事しかなくて
さとみとかもうどうでも良かった
会話も少し弾むようになった
俺「おいまた面白いテレビあるぞwww」
従姉妹「あ、ホンマやな」
俺「あ、この前の話なんやけどな、□□っておるだろ?アイツがな――」
従姉妹「何でそんな必死なん?」
俺「は?別に必死ちゃうし意味解らんし」
従姉妹「嘘w、めっちゃ必死やしw」
俺「ううう、うっさい!」
従姉妹「www」
みたいに、徐々に笑顔が増えていくのが嬉しかった
従姉妹が笑ってくれればなんでも良かった
別に自分がどう思われようと気にしてなかったのは、さとみの時と真逆だった
話しかける→笑う→嬉しくなる→また話しかける
このパターンを繰り返すだけの日々が続いて
とうとう弟君が退院する日がやってきた
俺はその事を頭では解ってたんだけど、どうしても実感が湧かなかった
いつも通りの時間を過ごして、夜に従姉妹のお母さんが迎えに来て
そのまま何事もなく従姉妹は帰ってしまった
俺は笑顔で見送ったけど、やっぱり寂しかった
後、母さんにニヤニヤされるのも鬱陶しかった
その日、風呂の中で本気で悩んだ
何でこんなに寂しいんだ、たった二週間程度だったのに
それに学校へ行けば普通に会えるし、きっとまた話す事もできる
でも寂しい
こんな事を延々と考えてた
これ今考えると確実に惚れてるな、何故この時そう考えなかったのか不思議だ
次の日学校へ行って、それとなく従姉妹の様子をうかがってみた
寂しそうにしてたり、元気が無くなってたりするのを期待してたのかもしれない
けどそんな事もなく、以前の明るい従姉妹に戻っていた
それはそうか、家族が居なかったからあんな風になってたんだし
もう落ち込む理由が無いもんな、と何故かガッカリした
話しかけようかとも思ったけど
今までのように従姉妹を励ます、という大義名分も使えないし
特に話す事も無かったんで諦めた
教室に戻ると皆から従姉妹の事諦めたのか、お前結局どっちが好きなんだ
という風な事を問いただされた
俺はちょっと悩んで「別にどっちも好きじゃねーし」と強がった
俺の中ではベストな答えだったんだけど、皆はそう思ってくれなくて
俺=好きでもないのに女をたぶらかすチャラい奴
というイメージを持たれた
かなりショックだった
それからさとみとも従姉妹とも話さず(話せず)、
引退も近かった事もあり部活にのみ気を向けた
ちなみに部活は卓球
1年からコツコツ努力していたおかげでそこそこ強かったし、
副部長にもなっていた
最後の大会、3年間の総決算の場で
俺は県で個人ベスト16、団体3位になって、優秀選手賞も貰えた
一見従姉妹には関係無い事のように思えるけど、このおかげで
夏休み中に従姉妹家でパーティーが行われる事になった
もちろん名目は俺のお祝いと従姉妹を預かったお礼、というものだ
俺はそれを母さんから告げられた時そっけない態度をとっていたけど、内心滅茶苦茶はしゃいでた
楽しみで楽しみで、早くその日が来い、と小学生のような事を思っていた
そして当日の夜、パーティーが始まった
パーティーといってもお洒落なものじゃなく、ただ焼肉と花火をするだけだったけど
それでも久しぶりに従姉妹と話せて嬉しかった
焼肉は何事も無く終わって、あ、弟君は跳ねた油で焼けどしてたけど
その後もただ他愛ない話をしながら花火をするだけで、
従姉妹と距離が急接近するのを期待していた俺は
あー楽しいけどこんなもんかー、とか思ってた
それで噴出し花火っていうのかな、手に持つ一般的なやつ
あれが無くなって、線香花火をする事になった
俺は線香花火があんまり好きじゃないから、一人で石積んで遊んでたんだけど
そこに従姉妹がやってきた
従姉妹は、二個の線香花火とライターを持っていた
「弟君は?」と聞くと、「あっちでお母さんと遊んでる」と言われ
俺は心の中でガッツポーズを決めた
二人きりで線香花火、という最高のシチュエーションだったけど
いや、むしろそのせいか、俺は空回りして滑り倒し、挙句の果てに無言という最悪の結果になった
気まずい空気の中、喋りだしたのは従姉妹だった
従姉妹「なあ」
俺「!…ん?」
従姉妹「………」
俺「………どうした?」
従姉妹「いや、何か言うの恥かしいなー、と思って」
俺「…めっちゃ気になるんやけど」
従姉妹「………」
俺はこの時絶対告白だと思った
自意識過剰かもしれないけど、それ以外考えられなかった
従姉妹「…な」
俺「ん?」
従姉妹「ありがとうな!」
俺「?は…?」
従姉妹「だって優アタシの事励ましてくれたし、いっつも話しかけてきてくれたし」
俺「あ、おお…」
従姉妹「あのおかげで大分楽になったんで、ありがとうってこと」
俺「ああ、別にいいけど…」
あ、今見直したら訂正ある
>>74の従姉妹の台詞の優ってとこアンタに脳内補完しといて
ケジメ…どうだろう、付けるつもり
従姉妹「でも流石に必死すぎやな、アタシが無視したらめっちゃ落ち込むしw」
俺「!え、お前アレわざとだったんかよ!」
従姉妹「いやゴメンゴメン、辛かったのはホントやけど、アンタが面白くてついw」
俺「お前マジか…」
従姉妹「あはは、でも嬉しかったよ、ありがとう」
俺は告白を期待してただけに少しガッカリしたけど、まあこれでもいいか、と思った
次の従姉妹の言葉は衝撃的だった
従姉妹「なあ、アンタさとみの事好きなんだろ?」
俺「!え、いや別に」
従姉妹「アタシが協力してあげようか!」
俺「は?」
従姉妹「あの子もバレー部やし、アタシ等めっちゃ仲いいけんな」
俺「へーそうなんか、でも」
従姉妹「あの子めっちゃ可愛いよなー、好きになるのも解るわ」
従姉妹「…あー、でも、何かゴメンな」
俺「…え、何が?」
正直ここらでイライラしてたけど、聞くことにした
従姉妹「いやアタシのせいでなー、あの子と話し辛くなっとるけん…」
俺「は?そんな事気にせんでええし、それより」
従姉妹「いや気にするって!アタシに任して」
従姉妹「っていうかアンタ元々仲良かったけん、普通にいけると思うよ?」
俺「ああそうなん、でもちょっと聞けよ」
従姉妹「?…どしたん?」
俺「俺別にさとみの事好きじゃないし、どうでもいいって皆にも言っとる」
従姉妹「嘘やな、アンタあれだけ必死に話しかけとったし、登下校も一緒だったし」
俺「…それで俺がさとみの事好きっていうなら、その次にもう一人、俺に同じ事された奴おるだろ」
従姉妹「え………あ、いや、アタシは落ち込んどったけんだろ?」
俺「………まあ、最初は」
従姉妹「え?最初はって…」
俺「………」
ここで告白しなきゃならない、それは解ってたんだけど
どうしても好きって言えなかった
この時ほど自分のヘタレさを恨んだ事は無い
そのまま時間だけが過ぎていって、母さんが呼びに来て
パーティーは終わった
親戚だから一生会わないなんてことはできないし。
一生会わない事は無いけど、結構会わないもんだよ
何年かに一回とか
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