高校のクラス全員で悪霊と戦った話させてくれ
信じられないような出来事だったけど実話なんだ。
釣りだと思うならそう思ってもらって構わない。
実際話だけ聞けば作り話みたいな話なので。
あと特定防止のために少しフェイクはいれるけれど大筋は実話です。
タイトルじゃ戦ったとか言ってるけど、ほぼほぼ俺たちが一方的にやられる話だ。
書き溜めしてないのでゆっくり語ってく。
まずは当時の俺と仲良かった二人のスペックについて
俺
キョロ充チビの高校二年生、吹奏楽部
クラスではかなり地味な存在だった。
いじめこそなかったけれど周りに見下されてる感じはあった。
細木
中学校からの友達。
俺と同じ吹奏楽部。
ガリガリだけど身長は高い。
松坂
高校で出会った親友。科学部の部長。
顔が不細工だがそれ以外のスペックはなぜか総じて高い。
まずおれたちの通っていた学校についてだが、そこそこ田舎の頭がよくも悪くもない。
なんというか普通の高校だった。
俺たちのいたクラスは全員で36人のクラス。
夏休み前に学校祭で一致団結していたのでイジメもなくそれなりに仲のいいクラスだった。
ことの発端は夏休みが明けて1週間くらいの時。
うちのクラスの委員長が無断欠席をしたところから始まる。
うちのクラスの委員長は男子バレー部の副部長だかで人望があって真面目な奴だった。
そんな奴が何の連絡もなく休んだので担任もおかしいと言っていたし、
クラスでも登校中に交通事故にでもあったんじゃないかみたいな話がでていた。
そんな中リア充グループの一人が
「あれ、もしかしてあいつ呪われたんじゃねww?」
みたいなことを言い出した。
その時はみんな「んなばかなwww」みたいな雰囲気だったけれど
そのリア充の話では昨日の夜にこっくりさんみたいな儀式を友達数人でやったとのことだった。
それでそれをやったメンバーの中に委員長もはいっていたとのことだ。
「それであいつ、儀式終わってから気持ち悪いとか言って帰りやがったのww
これは憑りつかれたの確定でしょww」
みたいなことを言っていた。
俺と細木と松坂は話の輪に入っていたわけではなかったが、話は聞こえてきていたので
「そーゆー儀式ってうまくいくとやばいんじゃない?」
って感じでそのまま2ちゃんのオカルトな話について語ってた。
その後昼休みになり担任が委員長の家に電話したが、親に「いつも通り登校したはずだ」と言われたとのことで
クラス全体がオカルトなはなしで盛り上がっていた。
怖い話をしつつも、真面目な委員長が何かしらの理由でさぼったと思っていたと思う。
そんなこんなでその日は終わったんだけど、次の日には笑えない事態になっていた。
次の日委員長のことなんてすっかり忘れて普通に登校したんだが、クラスに入ると雰囲気がおかしい。
みんな押し黙っていて、会話している奴がいても暗い表情でぼそぼそ話していた。
それどころが中にはすすり泣いている女子も何人かいた。
俺は既に登校していた松坂に何かあったのかきいた。
すると松坂は
「委員長、昨日なくなったらしい。」
と目を腫らしながら教えてくれた。
一瞬昨日のことを思い出して
「えっ呪い!?」と思ったけれどそんな不謹慎なことを言える雰囲気ではなかった。
俺「なんで亡くなっちゃったの?事故?」
松坂「いや、俺も詳しくは知らないんだ。
俺も朝きてクラスの奴に聞いただけだから。」
俺「そっか。」
結構衝撃的なことだったが俺は結構冷静だった。
悲しくもあったし、つらくもあったけど、それよりも先に「なんで?」って考えで頭がいっぱいだったと思う。
そのあとすぐに緊急の全校集会が行われた。
内容はもちろん委員長がなくなったことについてだったが、なぜ死んだのかは一言も触れていなかった。
マジで怖い
親孝行もまともにしてないし
それからクラスは一日中暗く、常にすすり泣く声が聞こえていた。
授業も授業にならず、自習か、先生も泣いてしまって授業が進まないかのどちらかだった。
帰りのホームルームになって一日中姿の見えなかった担任がやってきた。
委員長のご遺体に会ってきたとのことだった。
担任はやっぱり死因については触れなかったが、クラスメイトの一人が
「なんで、あいつは死んじまったんだよ!!」
と泣きながら叫んだところでクラス全員が涙を流した。
俺もやっと実感がわいてきたのか涙が止まらなかった。
すると担任も涙を流しながら
「自殺だ。遺書も見つかった。」と教えてくれた。
みんなかなりのショックを受けていてもう口を開く人はいなった。
担任も何か言おうとしていたが泣いて言葉が出なかったようで
「気を付けて帰れよ」とだけ言って行ってしまった。
その日は部活も休みになってほとんどだれかと話すこともなくすぐに帰った。
家に帰るとなぜか母親も一連の騒動のことを知っていて、
「大変だったね」と言ってくれた。
高校二年生にもなって親の前で号泣してしまったよ。
次の日もクラスはとても暗かった。
朝のホームルームで担任が来て
「今日委員長の葬式がある。
参列したい奴は手を挙げてくれ。」
といった。
こんなに上げにくい挙手はないだろうと思ったけどクラス全員が手を挙げていた。
その後何人かの先生の車に分かれて乗って葬式に行った。
葬儀では涙が止まらなかったが、葬儀が終わるとしっかりと別れを告げることができたと思えた。
その後は学校に戻っていつも通りの授業を受けた。
まだ暗い雰囲気は残っていたがクラスのみんなも切り替えができたのか、いつも通り過ごそうと明るく振舞っていた。
クラスには大きな傷が残ったが、この先委員長の分まで頑張ろうといった感じだった。
しかし、次の日事件が起きた。
次の日俺は自転車に乗って学校に向かっていた。
いつも通学の途中で大きい橋を渡るんだが、その日は橋に通行規制がかかっていた。
なにやらパトカーやら救急車やらがいっぱいとまっていた。
そして野次馬がいっぱいいた。
なにか事件でもあったのかと思い野次馬の中に混ざってみると何でも高校生が橋から落ちたという話を聞いた。
まさかと思って現場ぎりぎりのところまで行ってみると自転車が2台倒れているのが見えた。
うちの高校じゃ自転車には盗難防止のため高校指定のシールを貼らなきゃならないんだが、
その2台の自転車にはうちの高校のシールが貼ってあるのが見えた。
さらに言うと学年ごとにシールの色も決まっているんだが、その自転車に貼ってあるシールは、
俺の自転車に貼ってあるシールと同じ色だった。
血の気が引いたのを覚えている。
俺は怖くなってしまい、あわててその場を離れた。
学校に着くともうその話は学校中に広がっていた。
でも誰が落ちたのかはわかっていなかった。
もし仲のいい奴が・・と思うといてもたってもいられなかったが、細木と松坂の姿を見つけて
不謹慎ながらも胸をなでおろした。
でも細木はとても体調が悪そうで何を話しても「ああ」とか「おお」しか答えてくれなかった。
その後いつも通りホームルームがはじまったが、まだ来ていない生徒が二人いた。
野球部の生徒が二人来ていなかった。
担任からは何も言われなかったけどみんなわっかていたと思う。
今日落ちたのはこの二人だって。
重苦しい空気の中で時間が過ぎて昼休み。
4時間目の授業が終わると同時に担任が入ってきて話し始めた。
「ちょっと話がある。
みんなもう知ってるとは思うけど今日うちのクラスの生徒二人が○○橋から転落して亡くなった。」
中には泣き始める者もいたがほとんどの生徒が押し黙っていた。
みんな分かっていたと思う。
すると突然儀式のことを話していたリア充が
「呪いだ!!」
と叫んだ。
担任「どういうことだ?」
リア充「俺と委員長と野球部の二人で呪いの儀式をやったんだよ!!
委員長が死ぬ前日に!!
次はきっと俺なんだよ!!」
担任「呪いなんてあるわけないだろ!?」
リア充「でも儀式はうまくいったんだよ!!」
女子A「ねえ、不謹慎なこと言うのやめてよ!」
女子B「そうだよ!命がほんとうに・・・」
細木「呪いだよ!!!」
細木が不意に叫んで立ち上がった。
クラスは一瞬で静かになった。
細木「お、おれ見たんだよ!!
二人が橋から落ちるところを!!
野球部Aが突然転んで落ちそうになって・・
野球部Bが助けようとしたけど一緒に落ちたんだよ!!」
女子A「それってただの事故じゃん!!
なんで呪いになるのよ!!」
細木「見たんだよ!!
二人が落ちたところに駆け寄って橋の下みたらさ、女がいたんだよ!!」
女子A「はあ?女が川の中にいたっていうの?
へえ、そんなのよく見えたねえ!?」
細木「違う!!違う!!
川の中じゃなくて浮いてたんだよ!!
橋のすぐ下に!!
女の幽霊が!!」
クラスが本当に静かになったのを覚えてる。
おれは訳が分からなくて呆然としてた。
担任「バカなことを言うな!!
幽霊なんているわけないだろ!!
今日はもう全員かえれ!!
自宅待機だ!!
絶対外出するなよ!!」
担任がぶちぎれてその日は終わった。
家に帰ると俺が早く帰ってきて母親がびっくりしていた。
今日の出来事を話すと「今日はゆっくり休みなさい」と言われた。
まあへたくそな創作だと思って聞いてくれ。
俺は部屋に戻るとすぐに細木に電話した。
細木の話をまとめると
細木は野球部二人の後ろを距離を開けて走っていた。
一人が突然転倒して橋から落ちそうになった。
もう一人が助けようと引っ張ったけど二人一緒に落ちてしまった。
慌てて細木が近寄って橋の下をのぞき込むとすぐ下に女が浮いていた。
細木はそのまま逃げてしまった。
とのこと。
とてもだけど信じられなかった。
そもそも自転車で転んだところで橋から落ちるだなんてまずありえない。
この時は細木が嘘をついてると思った。
細木が嘘をついていると思うとなんだか腹が立ってきてすぐに電話を切ってしまった。
次に松坂に電話した。
今回の事件は呪いだろうかと聞いてみると
ほぼ確実に偶然だろうとのことだった。
たまたまこっくりさんだかをやった人たちが立て続けになくなっているから
呪いの話が一気に広まっただけですごい確率だけど偶然だと。
細木のみた幽霊に関しては幻覚だろうといっていた。
目の前で知り合いが二人も落ちたら幻覚の一つや二つ見ても仕方ないだろうと。
確かに目の前で知り合いが橋から落ちたら冷静ではいられないだろう。
そう考えると細木に冷たく当たってしまって申し訳ない気持ちになった。
その日の夕方のニュースで事件についてほんの少しだけ触れていた。
ニュースでは原因を調査中と言っていた。
その日の夜に学校から明日は普通通りに登校するよう電話があった。
次の日登校すると教室では誰も話をしていなかった。
泣いてるやつもいなかった。
ホームルームでは今日は一日中自習だと言われた。
それと自習中に順番に呼び出しするから校長室に来いともいわれた。
自習中は常に教卓に副担任が座っていて、誰も一言も話さなかった。
呼び出しで担任が来るのと、呼び出しから戻ってくる人がいる以外は物音もほとんどなかった。
そして俺の呼び出しの番が来た。
呼び出しを受けて校長室に行くと担任、校長、教頭、それから知らないおっさんが2人いた。
担任に言われるがままに面接みたいに椅子に座るとおっさんが自己紹介をしてくれた。
一人はなんと我が市の市長。
そういわれるとどこかで見たことがある気がしてきた。
もう一人は偉い医者の先生とのことだった。
始めに校長に今俺が知っていることを教えてほしいと言われた。
俺は今まであった出来事、細木の話の内容、ついでに松坂の受け売りだが細木は幻覚を見たんじゃないかって話をした。
すると医者と市長が俺の話に同意してくれた。受け売りの話だが。
医者の言うにはクラスメイトが立て続けに亡くなってクラスのみんなの精神が疲弊しているといった。
偶然が重なったからこっくりさんの話が信ぴょう性を持ってしまったが、呪いなんて存在しない。
と断言した。
今は心身ともに疲れているから明日からの土日はゆっくり休むように言われた。
その話を聞いて俺はなんだかすごくほっとした。
やっぱり偶然だったんだと安心できた。
市長は今回の事件はあまり大事にならないようにしてくれるといってくれた。
来年の受験に影響が出るといけないから、と気を使ってくれたようだった。
クラス全員が呼び出しを終えるとクラスは少し明るくなった。
みんな医者や市長の話を聞いて安心できたのだろう。
でも細木だけは相変わらず暗かった。
松坂の言うには、実際に幻覚を見てんのにみんなにそれを否定されたんじゃ暗くもなる。
俺たちで支えてやらないとな。と言っていた。
本当に顔以外は完璧な松坂である。
松坂は帰る前に少し三人で話さないか、と提案してきた。
そういわれるとこの一週間では三人でまともに話す時間がなかったので折角だし少し話してから帰ろうということになった。
放課後、早く帰るようには言われていたが俺たちは教室に残ってお菓子を食べながら話をしていた。
お菓子は松坂がハッピーターンを大量に所持していたのを三人で食べた。
話の内容は全然部活に行ってなくてヤバいとか、アニメの話とか意識して明るい話をした。
でもそんな中細木は
「俺は間違いなく見た。幻覚ってあんなにはっきり見えるのか!?」
と事件の話を始めた。
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