中学のとき、暴走族と女子1人に学校が支配された話する
かなり年月が経ったんで。時効でしょう。
むかーし別板のスレにちょっと書いたら反響があったので、詳しく書くよ。
【俺スペック】
成績だけ1番。他は、見た目もスポーツもケンカもダメダメ。
背は低い。メガネのクラス委員長タイプ。
ある年の4月、俺は市立○○中学に入学した。同じクラスにA子って女がいた。
【A子スペック】
顔も身体もゴリラそのもの。身長も体重も平均的な男子よりでかい。
胸もでかいが、それより腹が出てタプタプしてる。髪はロング。
顔は凶悪。色も黒い。常にムスッとしている。無口。
ゴールデンウィークの後にはA子にゴリラってあだ名が付いてた。
俺は賢かったから()、口に出さなかったけど、学年で強い立場の不良予備軍みたいな連中は口に出してた。
その中に、俺と同じ小学校だったS君がいた。
S君は漫画『ビーバップハイスクール』の影響をモロに受けたヤンキー候補生だったけど、
同じ小学校ってことで俺には優しく接していた。
A子をゴリラゴリラって、一番よくからかってた。
夏休みが終わって二学期になったとき、S君が突然夏休み中に転校していた。
なぜなのか、先生は教えてくれなかった。
PCも携帯もなかった時代。
しかし当時のPTAによる、電話と立ち話のネットワークは、現在のネット並に情報を運ぶ。
俺の母親が教えてくれた。
「S君ね、あんたのクラスのA子さんの、お兄さんに…その…やられた…らしいのよ。」
俺「やられた?????」
「A子さんのお兄さんってね、暴走族のヘッドらしいのよ。
高校は県立●●工業高校(Fラン底辺校)ってとこだったけど、
問題を起こして退学になって、暴走族を作って…いま18歳か19歳ぐらいだって。」
「妹のA子さんを可愛がってるみたいでね…。A子さんの指示があればだれでも殺しちゃうんだって…。
…あんたも気をつけなさいよ!」
ここで暴走族の名前を、仮に「禁愚魂愚(キングコング)」としておく。ゴリラ繋がりな。
この話は、二学期開始時には学校中の知るところとなっていた。
また、一学期に威勢良くゴリラ言ってた不良たちの数名が、
骨折したり、顔面がアザだらけになったり、登校拒否になったり、転校したりしてた。
理由はわかるよな。俺もわかった。
A兄の噂が広まったのを確認すると、A子は威張りだした。
先生の言うことを聞かない。
校則も守らない。
男子にも平気で暴言を吐く。
やりたい放題。誰も手を出せなかった。
3年のヤンキー集団ですら、俺と同じ一年生のA子を、渡り廊下で避けて通ってた。
一部の先生はびびって、A子だけ「さん」付けで呼ぶ有り様だった。
禁愚魂愚(キングコング)
飯が胃袋から噴き出たw
10月頃には、禁愚魂愚の下っぱ共がA子の「送迎」をやるようになった。
放課後の校門前で、族車が2台ぐらいで待機してた。
(余談だが、暴走族の世界では、ヘッドの家族を手下が送迎するのはよくあるらしい)
それを注意した先生が、車で帰宅時に族車に襲われ、車のドアを蹴られたりした。
授業時間、校庭に族車数台が入り込み、奇声とクラクションを発しながらオーバルトラックを数周して行った。
校門前には煙草の吸殻が捨てられるようになった。
砂の校庭だったら族もなかなかやるな
バイクだと砂地は怖すぎる
すぐに学校周辺の治安も悪化した。
禁愚魂愚の手下どもによるカツアゲが頻発した。
食料品店が襲撃され、食べ物が奪われた。
書店が襲撃され、本が略奪された。
(その本屋は、それから数年間「○○中学の生徒お断り」の張り紙を出していた)
校区の民家から苦情が来た。
校内の不良の中には、保身をはかって禁愚魂愚に入ろうとする者まで現れた。
もう誰もA子を無視できなくなっており、全校が暴走族の脅威に怯えていた。
11月下旬か12月頭だったと思うが、PTAの二学期総会があった。
そこでついに、A子と禁愚魂愚の件が議題になった。
ところがその議題を持ちだしたのが、なんと俺の母親と判明wwwww
>>30
1980年代中盤。
俺は親から有名私立高校に行くように言われてた。
そんな環境では受験に集中できない! 何とかしなきゃ! って思っての行動だったんだろうが…。
ママネットワークで伝わった情報により、
「俺親子が、A子兄妹にケンカを売った」って事になってしまった。タスケテ\(^o^)/
A子は俺を虐めるようになった。
持ち物を壊されたり、
給食の配膳の時に汁を飛ばされたり、
「このクラスに1人ウザい奴がいまーす、誰だろーなぁ~!?」って叫んだり、
ネチネチとしたものだった。
ちなみに俺に対して、A兄と禁愚魂愚は何もしてこなかった。
A子が直接イビる方が楽しいってことだったんだろう。
年が明けて、冬休みが終わって1月上旬、学校で事件が起きていた。
学校の教室で火事があったという。
全校集会で校長が経緯を説明した。
大晦日に禁愚魂愚が三年生の教室に侵入。酒を飲みながら忘年会をしたらしい。
当時は学校のセキュリティなんて無いも同然だからな。
その際、教室でちょっと焚き火?したんだと(よく延焼しなかったものだが)。
不法侵入と「放火」事件ってことで、警察と消防が来て検証してた。
「A子と禁愚魂愚に逆らったやつは焼き殺される」というイメージ。
みんな恐怖のどん底に陥った。
もしかして>>1って先輩?
1月末、A子のイジメはエスカレートしていた。
普通に殴る蹴るの暴力になっていた。
俺もそろそろ耐えられなくなっていた。
そしてついに、キレてしまった。
美術の時間。美術室にて。
課題の絵を描いていた。
そこにA子がやってきた…。
A子は、俺の絵を下手だの汚いだのと罵った。
そして、絵具の洗い桶の汚れ水を、俺の絵に垂らし始めた。
それでも俺が耐えていると、
調子に乗って、絵の具で、俺の顔に字を書き始めた。
なんて字を書いたのかは知らん。
しかし、瞬時に俺は切れた。
座った状態からの、まったく腰の入ってない右ストレートパンチ。
グーパンが、A子の左頬に直撃。
A子は驚いて目を丸くして…。
顔はすぐ真っ赤。数秒して目に涙。
俺みたいなザコとはいえ、男に殴られたってのがショックだったのか?
般若の面が絶叫した。
「てえええんんんんめぇぇぇぇぇ!!!!!!!!
くそがあああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」
俺、ホラー映画とか見ても全然怖くないんだけど、それはこの体験が原因。
今でも、この時のA子の顔ほど恐ろしい人間の顔を見たこと無いもん。
A子は泣きながら美術室を飛び出し、帰ってこなかった。
A子は荷物をまとめて勝手に下校してしまっていた。
最悪だ。A子は、A兄を呼びに行ったのだ。
クラスのみんなが俺を心配そうな目で見ていた。
ああ…俺君はこのあとA兄に殺されるんだな…。
そんな目で。
放課後はもう、生きた心地しなかったね。
裏門からソローっと出て行ったり、いつもと違う道を通ったり、
家の前に誰かいないか遠くから確認したり。
とにかく自宅に飛び込むまで脚が震えてた。
A子を殴ったことは親には言えなかった。
――もしかしたら深夜に、禁愚魂愚が俺の家を放火に来るかもしれない――
そう思うと、言って、避難すべきかとも思ったが、とにかく口にするのも怖くて言えなかった。
ところが。
翌日から不思議なことが起きはじめた。
A子が俺をイジメなくなった。それどころか避ける。
A子の族車送迎がなくなった。
カツアゲや略奪などの犯罪もピタリと止んでしまった。
数日後、頼りになるママクチコミネットワークが決定的な情報をもたらした。
「A子さんのお兄さん、捕まったらしいわよ!」
な、なんだってーΩΩΩ
あ、やっぱり九州か
伝説にはなっとらんけど、
当時の社会の担任が雑談でな
「昔なー、ヤンキーが流行った時代にこの学校で暴走族がおったんだわ。ごつい女の子がおって、そいつの兄貴が暴走族で、好き放題やってたー」的なことを言ってた
大晦日の放火が決定的だったのだろう。警察が動いていた。
俺がA子を殴った日の午前中、禁愚魂愚の幹部たちの家々に、警察が一斉に踏み込んでいた。
奇跡的なタイミングとしか言いようがない。
ヘッドのA兄は逮捕。
ここに書いただけでも相当の余罪があるわけで。
我々が中学を卒業するまではもちろん、高校を出るまで…A兄は、社会に戻ってくることはないだろう。
A子と禁愚魂愚の支配はとつぜん終わった。
転校後は音沙汰が無い
それっきりさ
もうちょっとだけ続くんじゃ
質疑応答は最後にします
恐怖支配から開放されて最も喜んでいたのは不良たちだった。
やっと普通に肩で風を切って歩けるんだもんな。
「なぁ俺君、A子殴ったんだってぇwww?
お前、もしかして超強いんじゃねェwwww?」
「バックに1000人ついてるって本当wwww?」
「俺とタイマンしてくれよォ~wwwwww
ケンカのやり方教えてくださいよぉ~wwww」
ってからかわれたわ。
原因と結果だけを恣意的に組み合わせれば、
「俺君がA子を殴ったら、禁愚魂愚が潰れた」だからな。
俺君ツエー、俺君コエーって見られなくもない。嬉しくないけど。
2月。
それからのA子は悲惨だった。
息を吹き返した不良どもが毎日、校門前で待ち構えており、
A子が駅へ歩くまでの間、ハエのごとくつきまとっては暴行を加えていた。仕返しだ。
長かった髪がすぐにショートになり、ジャージで通学するようになった。
下校中に火を付けられたり、切られたりしたらしい。
少しでも可愛い容姿なら性的いじめもあったのだろうが、A子はゴリラだから、
性欲の塊のような不良中学生でも手は出さなかったみたい。
当時の俺は、悪いけど、そんなA子の姿を見てザマァwとしか思わなかった。
そして一学年目が終わった。
4月。二学年目が始まった。
新クラス表が体育館に貼りだされた。
俺の望みはただひとつ。A子と別のクラスになることである。
掲示を見た。俺のクラスにA子はいなかった。
いや、変だぞ。
A子は別のクラスにもいなかった。
不思議に思っているところへ、一年時に同じクラスだった女の子が来て教えてくれた。
「A子ちゃん、転校したってよ」
その後のママネットワーク情報だが、A兄はどこか遠くに収監されそうらしい。
面会に行きづらいので、引っ越し、転校するとのことだった。
また、A兄が逮捕されたことで、A子一家は町に住みづらくなったそうだ。
日頃からバイクの爆音や、族の出入りなどで近所迷惑かけてたんだろうな。
A子は俺らの前から、一言も告げずに消えた。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません