あの映画を夢見て部活作ったら色々と青春だった
当時高校入りたてぐらいの俺はその映画にいたく感動したわけ。
で、映画みたいに実際にビッグバンドの部活を作ろうと思い立ったんだ。
まあ俺男だったんだけど。ついでに友達もいなかったんだけど。
そんな俺はしこしこ受験勉強しながら、小生意気にも「高校リア充ライフ」を夢見ていたわけ。
「高校に入ってイケメンとバンドを組む
→文化祭で全校生徒の前でライブ
→アフロ素敵!抱いて!
→そして伝説へ….」
みたいな。
ベッタベタ。そんで超非現実的。まずイケメンじゃなかったし。
中学を卒業するときに髪の毛はまっすぐにした。
でもオシャレとは無縁だった俺は、ギャッツビーのヘアワックスを毎日これでもかと盛り込んで、結果的にボサボサのアフロみたいな髪型になってた。
いや、ギャッツビーのニオイがおっそろしくきつかったから、前よりたちが悪かったかもしれん。
ほんとにびっくりするぐらいあっさり妄想は掻き消えた。
正直、「まあ現実はこんなもんか」とあきらめて、元のしがないアフロに戻ろうとしていた。
あの映画に出会ったのは、暇でキノコが生えそうな夏休みが終わったぐらいだったかな。
それからそれから
レスありがとん
だらだら書いて人いなくなったあたりで隠居します
その映画を見た時、いたく感動したのもそうだけど、俺は自分と映画の主人公を重ね合わせていた。
暇な毎日。だらだらと過ぎていく時間。あれほど夢見た高校時代。
俺の青春はこのまま終わるのか?本当にただのアフロなのか?
続けたまえ
水泳できなかったんです><
スクリーンの中では、ド田舎の間抜けなJK達が、ほっぺたを真っ赤にしながら楽器を吹いて、走って、笑っていた。なんか抜けてるけど、努力する彼女達は輝いていた。青春だった。
俺は….俺はこのまま青春を無駄にするのか?
くっそー。嫌だ。俺だって青春したい!
単純な俺は、その映画と同じように、ビッグバンド部を立ち上げる事を決意した。風呂で妄想してたら興奮してきて、ばしゃばしゃやってたらくるぶしを蛇口に打ち付けた。痛かった。
校則によると、部員三人以上と顧問の先生がいれば「同好会」を立ち上げられるらしい。
同好会は部費も出ないし、部室も与えられない。が、まずは同好会設立に向けて動く事にした。
その時俺は「三人とかwwwww余裕じゃねwwwwひもQ食っとこwwww」
ぐらいにしか考えてなかったが、
ひもQが無くなってからよく考えたら俺には友達がいなかった。
読みやすい
ありがとう
とりあえず今は書きだめ投下中
早かったり遅かったりわかんないことがあったらなんなりと
とりあえずメンバーを集めなきゃ!と思って、俺はチラシを作ったのね。
へったくそな絵と字で、「ジャズバンドやろうぜ!」って書いたチラシ。
もう手作り感満載。全然魅力ない。
それをとりあえず校内の廊下とか、小便器の上とかに貼ったんだけど、当然人はさっぱり集まらなかった。むしろアイタタな目で見られてたと思う。
そのころもVIPやってた気がするwww
ありがとう
がんばって書きます
チラ裏すまんね
ほんで当時俺はいわゆる軽音部に入ってて、そこの知り合いにも声をかけまくったけど、こっちの反応も(´・∀・`)ヘー みたいな感じだった。
まぁ完全に
(´・∀・`)(妄想乙wwwプゲラwwww)
だったんだろうけど。
そんなこんなで、活動を始めて二週間ぐらい経った。
部員、俺一人。
みんなの見事なスルースキルに、早くも俺の活動は詰んだ。や、まだ始まっても無いんだけど。
続き続き!
まじか
がんばる
「あたしピアノならちっちゃい頃習ってたから、弾けるよ」
計画に行き詰まり、ふてくされてもぎもぎフルーツを食べていた俺に声をかけてくれたのは、となりのクラスのMさんだった。
「え?」
「だから、ピアノならやってあげる」
「 ま じ で 」
「 ま じ で す 」
Mさんは髪が長めの、わりと静かでおとなしい女の子。そこそこ可愛い。
が、えらく天然。
まさかの天使の救いの手に、驚きすぎてもぎもぎフルーツ吹いた。
とっといたツタの部分はMさんにあげた。
了解した
そこから、俺とMさんでの活動が始まった。
Mさんは友達に声をかけまくってくれたようで、あっさりと三人目が見つかった。
三人目はメガネでショートヘアで、The優等生な女の子。めっちゃ勉強できそう。聞くと、中学生時代に吹奏楽でドラム経験者らしい。
えらく無口な子で、書きながら思ったんだが俺はこの子とまともに会話した記憶がさっぱり無い。どうやって意思疎通していたか自分で不思議。
アフロと天然とメガネ。今思うとえらいメンツだな
となると、次は顧問を見つけなきゃならんかった。
と、いきたいところだったが、メガネ子は無口の上、「演奏するならドラムやるよ」ぐらいのスタンスだったため、除外。
俺とMさんでやることにしたが、実はMさん、マックでオーダーする時ですら緊張で
「あー….えっと….ち、チィズバ-g….(フェードアウト)」
となってしまうぐらいの小心者だったために、事実上ほぼ俺一人で交渉することに。使えん。
なんつーか、アポなしの営業マン状態。とりあえず教員室に行って、頼む。
断られたら、もう一回頼む。コーヒー入れるぐらいのパシリも辞さない勢いで頼み込む。
で、やっぱり断られたらあきらめて、呪いの言葉をつぶやきつつ部屋を出る。
そんな感じ。
メガネは そんなに致命的な特徴じゃないだろ このグミ男がっ!
落ち着けよメガネ
すまん、でもそれ以外本当に特徴ないんだあの子。
本人いたら申し訳ないけど。いないか。
で、しばらく営業活動を続けてみたんだが、やはりというかなんというか、一向に顧問は見つからなかった。
顧問が見つからない理由は、まあいわずもがなだが、みんなめんどくさがっていたからだと思う。
だって部活の顧問って休日にも出勤しなきゃならん時もあるし、うちの学校は職員が少なめだったこともあり、既に他の部活の顧問をやっている教員も少なくなかった。
うちの学校にはなんと全国クラスの実力を持つ(らしい)オーケストラ部と合唱部があって、当然ながら防音設備のある音楽室はこの二つの部活で使われていた。
つまり、新しく音楽の部活を始めたところで、場所が無い。
ほんで人数が増えるはずもない。
そりゃ、未来の無い部活の顧問なんてやってもしゃーないわな。
と、いった感じで、俺の「進め!電波少年」ばりのアポなし営業はさっぱりうまくいかず連敗続きだった。
おまえのこと好きだったんじゃね?ん?んんん?
まあその件については後々
書くかどうかわからんが
リストはみるみる×印で埋まり、いよいよ残ったのは一人。
これがだめだったら茶菓子持ってもっかい全員に頭下げに行くかな、ぐらいに思ってた。
さすがに最後の一人ということでMさんと二人で行く事に。
Mさんは
「まだ可能性あるじゃん!あたしもいるし、多分大丈夫でしょ」
と強がっていたが、教員室に入るなり当社比で30%ほど小さくなり、ずっと俺のうしろで「ア―…」だの「ウムゥ…」だのと言っていた。使えん。
「古文で愛について語らせると長い」
と評判のおばちゃんだった。
俺が話をしている間、ずーっとむつかしい顔をしていたもんだから俺は
「あ、こりゃだめだな」と思っていた。
後半は「茶菓子ならやっぱ温泉まんじゅうとかかな」みたいなことを考えながら話してたと思う。
「で、どうでしょう。お願いできませんかね」
「いいわよ」
俺→ ( ゚Д゚) (゚Д゚ ) ←Mさん
( ゚Д゚ ) ( ゚Д゚ )
あっさり。
意外とやりゃなんとかなるもんだね
バカって時に得だと思う
かくして、ジャズバンド同好会が立ち上がることになった。
後に先生に顧問をおkした理由を聞くと、
「あなたの持っていたリストが見えたの。バツがいっぱいついてたでしょ?
それで、この子達は本気で頑張りたいんだな、って思って。
生徒が頑張りたいことを諦めてほしくないから、オッケーしちゃった」
だそうな。
良い先生に巡り会ったと思う。
ここからはリアルタイムのグダグダ投下になります
ごめんね
晴れて俺はジャズバンド同好会の会長となった。
承認が降りた当日の放課後、Mさんが下駄箱で待っていた。
「おう どした」
「えへー。じゃーん」
Mさんが出したのはケーキの箱。
わざわざ駅前まで行って買ってきたらしい。
放課後の教室で、同好会立ち上げ式をした。
二人だけで、ケーキも2ピースしかなかったけど。
mさんはなぜかろうそくまで買ってきてた。
メガネ子は予備校に行ってた。
部屋が寒くてタイプがうまくいかん
さて、同好会が立ち上がったのはいいがいかんせん3人。
3人じゃビッグバンドはさすがにできん。
と、いうことで俺たちは新入生に狙いを絞り、勧誘することにした。
うちの学校は入学式の翌日あたりに、体育館で部活動の紹介をする。
そこでクールな演奏を決めて、新入生をもうけようという魂胆。
さっそく練習をすることにした。が。
ここで思い出した。
俺楽器弾けなかった。
入学前に意気揚々と買ったギターはすでに部屋の片隅でホコリを被っていた。
つーか、三人でジャズってできるのか?
そこすら知らんかった。なんたる無謀。
とりあえず家でネット使って、ジャズのことを調べ始めた。
メタルはパンテラぐらいしかまともに知らんなあ
で、わたぱち食いながら調べた感じだと
どうやらジャズの最小単位は「トリオ」という三人編成らしい。
で、一般的なのがピアノ、ベース、ドラムの「ピアノトリオ」。
いける!
早速俺は楽器屋でやっすいベースを買った。
もちろんエレキ。さらにいうとプレベ。救えない。
出費のためひもQとはしばらくお別れすることになった。
俺もなんかやるかな・・・
てかひもQどんだけ好きなんだよwww
駄菓子男で商標登録しておくかな
さすがにこれは俺一人じゃ決められなくて、Mさんとメガネ子に音源を回してみんなで決めることに。
ぶっちゃけ俺はジャズなんてさっぱり知らんかったし、どれがむつかしくてどれが簡単かなんてさーっぱりだった。
「あたしコレ好き!これやろう」
「お、そっか。メガネ子はどっすか」
「いいとおもうよ」(あ、会話してたわ)
ということで、一世一代の発表曲は
「ビル•エヴァンス/枯葉」に決定。
これ知ってる人なら笑うところです。
でもこのテイク、ベースが鬼のようにむつかしいんです。
例えるなら
「曲中ずっとギターソロしてる感じのパートあるでしょ?これベース。」
みたいな。
ベース歴三日の俺は最初ベースの音をベースと認識しないで
「この曲ベースいなくねwwwwうはwwww俺やりたい放題wwww」
と思ってました。ごめんなさい。
「あたしの中学ジャズバンあったんだけど…楽譜もらってこようか」
ああMさん、君はなんていいこなんだ。
欲を言えばもうちょっと早くそれが知りたかった。
時期にして2月末、新入生歓迎ライブまであと一ヶ月強しかなかった。
今思い出すとすげー笑える。もうちょいあっただろ他に。
そんなこんなで楽譜調達。
しかしここでさらなる問題。
俺楽譜読めなかった。
もうね、ここまでくるとMさんも失笑ですよ。
「おまえもうそこでグミ食ってろよ」
と言われんばかりの冷笑。帰りたかった。帰ってコーラグミ食いたかった。
で、信じられないけど、ここでまた転機が訪れることに。
引込思案で気が利いておっちょこちょいてハイスペック過ぎる
いつものように教室外の廊下でぼさっとしてると、知らない女の子に声をかけられた。
ちっちゃくて八重歯が印象的。美人。で、上履きの色(うちの学校は上履きのラインの色で学年がわかるようになってる)を見ると、三年生。
「あ、それ俺です。」
「ほんとに?あの、Mさんって知ってる?」
「(俺の嫁です)知ってます…けど」
「私、Mさんと同じ中学で、ジャズやってたの」
なんか腹立ってきた
「え?そりゃまた。あーびっくり。」
「Mさん、いる?」
「あ、となりです」
先輩(仮名、みき)はこのチラシを見てくれて、でも自分は先輩だし…っつことで今まで来づらくて黙ってたらしい。
が、Mさんが自分と同じ中学で、さらにちょいとした知り合いだったのを知って、わざわざ声をかけにきてくれた、と。
わかりづらいかな?
とりあえず、またもやMさんのおかげでなにやら俺は助かったらしい。
これって「Mさんのバンドを>>1が邪魔する話」だっけ?
脱ぐわやっぱ
ではなく、クラリネットだった。
でも、相当上手い。
そんで経験者。ということで、あのアホみたいにむつかしい「枯葉」を
すっきりさっぱり、それでいてしっとりとした感じにアレンジした譜面をもって来てくれたのです。
でも、演奏当日はちょいと予定が合わず、出れないとのこと。
あ、先輩は一つ上でした。つまり二年生ね。ごめん。
グミwwwwww
不覚にも>>133w
学校から近い貸しスタジオに行って練習したり、公民館に行って練習したり…
とにかく、結構がんばった。
俺もいつの間にか、ベースがそこそこ弾けるようになった。
まあ所詮エレキベースだし、音作りもだめだめでなんかバキバキ言ってて
ジャズというよりプログレだったけど。
でも、なんかこれ青春じゃね?いいんじゃね?
みたいに思った。Mさんは相変わらずふわふわしとった。メガネ子も無口だけど、なんやかや楽しんでくれてたように思う。
支援。・゚・(つД`)・゚・。
で、いよいよ演奏会当日。
「ジャズは正装のイメージ」ということで、
前日に三人で買いに行ったネクタイ(ダイソー)をしめて、舞台裏にスタンバイ。
メガネ子はいつになくテンションが高かった。このときもちょっと喋った気がする。心なしか声が震えていた。たぶん緊張してたんかな。
Mさんはもう見るも無惨なくらいに緊張していた。しきりに「ウゥ…」だの「アァウ….」だの「ブルスコ….ファー….ブルスコ….」と口走っていた。最後のは嘘。
情けない、と思って必死に噛み締めると、今度は肩が震えた。
「www震えてるよwww大丈夫?www」
「www」
Mさんのほうが緊張してるくせに、とは言えなかった。
と、おもむろにケータイを出すMさん。
「みき先輩からメール来たんだ」
まぁ全然苦労しないから青春ぽさ皆無だが
うちのオケ忙しくてあんまり誘える空気じゃなかったし、
なにより友達がいなかった。いや、ほんとに。
みき先輩は前日にメールをくれていた。
「音楽は自分らが楽しんでこそ音楽、楽しめばきっとみんなにも伝わる」
「君らが今まで頑張ったのは知ってる。だから、落ち着いて。」
「応援してます」
そんな感じだった気がする。
ぶっちゃけ緊張でよく覚えてないけど。
けど、ちょっと泣きそうだった。まだ始まってないのに。
「じゃ、ジャズバンさん準備おねがいしやっす」
行動力あってもバカじゃやっぱ痛い目見る
うっひー
なんて考えながらチューニングしてたのをよく覚えてる。
ライブ前、幕が上がる寸前って、なんというかこう
時間が圧縮されてるかんじというか、とにかく不思議なんです。
トランザムはいってる気がするんです。
で、幕開け。
目の前にはざっと300人ぐらい。
照明がまぶしくて顔はよく見えなかったけど。
Mさんを見る。意外と落ち着いてる。なんか頼もしい。
メガネ子を見る。ちょっと笑ってた。あんたそっちのが可愛いよ。言うてる場合か。
正面にスタンドマイク。
…あ、そうだ 喋るんだった 忘れてた
「あ、ジャズバンド同好会です。まだできたばっかりで、部員は三人しかいません。」
「でも、楽しい部活にしたいです。興味がある方、一緒に部活作りましょう。」
「あー、じゃあ、曲やります。枯葉という曲です。」
カウントが入る。やー始まっちゃったね。
自分なんか部活を作るどころか一学期丸々さぼって二学期から三ヶ月くらいやってすぐやめたのに
高校に行く前は部活頑張るぞって張り切ってたんだがな…
俺らは当然持ってないから、その前に発表してた軽音楽部のやつを借りることになったのね。
で、けいおん!は当然ハイスタとかゴイステとかの青春パンクをやるわけ。当然ベースアンプはアンペグとかのでっかいやつ。
で、俺のベース。プレベ。これ相性抜群。
ピアノのしっとりとした前奏、ドラムのシンバルレガート。
で、ベースが入る。
音でっけぇ
人様の優雅なティータイム中のリビングに、サッカースパイクでランニングして乱入した感じ。
これがロックバンドならかなりいい音になっていたであろう我がベース。
悲しいかな、繊細なMちゃんのピアノソロは儚く掻き消えた。
沢山の支援、本当にかんしゃ
あとキッチンからベビースターとって来た。うましおうめえ
演奏は3分ちょいで終わった。
俺はもう後悔むんむん。はだしで逃げたい感じだった。
「Mちゃん、ほんとごめん、ベースでかすぎた」
「エ?ア、ああ、ごめん、ベース聞いてなかった」
自分の世界に入り込んでいたようです
先生に遭遇するやいなや
「あんたベースでかすぎよwwwwww」
「ですよねwwwww」
やはりでかすぎたようです
そんなこんなで無事(?)演奏会終了。
後は説明会の告知して、チラシくばって….
で、運命の部活説明会。
正直、この日に人がこないと、部として存続できない。
支援
そろそろ自分の中での第一部は終わるんですが….
ちょいとネタバレなんだが、なにぶん高校三年間結構色々あって
続けようと思えばまだ続くのもまた事実。
まあ、力尽きるまで書き綴って行くので、お時間ある人はお付き合い下さい。
リア充め
そうそう部活説明会。
部活説明会は、なぜか本館の離れの和室でやることに。
で、Mちゃんはというと
「おー、和室!」
「ねえ、お茶とか出した方がいいのかな」
「あ、せんべい買ってこよう」
大はしゃぎ。使えん。ことごとく使えん。許す。
俺は授業中に机の下でモンハンやってたのがバレて、モンハン奪回のため社会科の職員室まで行かなきゃならず遅刻するはめに。
ちくしょー、あのとき見つからなければきっとあのリオレウスは狩れていた。
世界史なぞ嫌いだ。爆発しろ。
呪いの言葉をつぶやきつつ和室へ。
扉を開けると、Mちゃん。と、穏やかそうなカカシが。
カカシ?
換えてみた
よく見るとMちゃんとキャッキャウフフしてるのはカカシではなく、穏やかそうな男の子だった。細い。長い。
「あ、グミ。さっそく見学の子が」
「ども」
「あ、どーも。初めまして。」
彼は後に我が部を代表するトランぺッターとなる。
そんでモテる。悔しいがモテる。ちくしょう。
Mちゃんは始終おかし食ってました。使えん。許す。
次に来たのが女の子三人組。
ちっこい。すべからくちっこい。で、うるさい。
一番小さい子は…狼と香辛料ってアニメのホロに似てた。
で、一番元気。とにかく元気。
次に小さい子は、後に椎名林檎みたいな髪型になった。
こいつも元気。で、うるさい。そんで小生意気。
後に「グミさんまじねぇっすwwwwwキモいっすwwwwうはwww」などと発言するようになる。
もうひとりは比較的おとなしかった。そんで天然。また天然が増えてしまった。が、黒い。言う事がたまに黒い。
ちくしょう
しかもグミ以外の音楽経験者まで湧いて来て自慢するんだぜ
後は後々。
結論から言うと、全部で8人集まったと思う。
男の子3人、女の子5人。
それに俺とMちゃん、メガネ子、みき先輩を合わせて計…12人?
これが、俺のビッグバンド部 実質上初代メンバーとなった。
普通ビッグバンドっつーと、大体17人ぐらい。
ペットが四本、トロンボーンが四本、サックスが五本。コレがブラス隊。
で、ドラムにベース、ピアノ、ギター。これがリズム隊。
(うろおぼえ。詳しい人いたら補足たのんます)
で、俺らはというと、
トランペット 一本(初心者)
トロンボーン なし
サックス アルト二本
クラリネット
ギター 二人
ドラム 二人
ベース 一人
ピアノ 二人
グミ 一人
なんじゃこりゃ
こりゃ詰んだか?と頭を悩ませていると
「僕コレ好きなんですよ」
「なんじゃこりゃ。トーキョー…スカ…?」
カカシが持ってきた一枚のCD。
これが俺らの活路となり、原点となった。
カカシ….できる。だが許さん。
たぶんすんげー有名な人達である。
「これならできるんじゃない?各パートひとりずつだし」
みき先輩が乗ってくる。
確かに、ブラスのアンサンブルがキモとなるビッグバンドジャズを無理矢理やるより、いくらか現実的。そして曲もなかなかかっこいい。
でも、俺はそもそもビッグバンドがやりたくて部活を立ち上げたわけだし、名前も一応「ジャズバンド」なのに、いきなりスカをやるのはどうかと….
「あたしこれ好き!やりたい」
「よしやろう」
かくして、俺たちは文化祭で発表するべく、スカというちょっと変わったジャンルの曲をやることとなった。
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