俺に相談してきた女と俺の話
狸は「絶対自分の方が愛してる」「奥さんと別れさせてやる」
とかものすごいこと言っていた。
俺「今度は何だ」
狸「明日○○の駅の~っていう喫茶店に午後2時に来て」
俺「は?」
狸「それであたしの彼氏のふりしてほしい」
俺「はあ?!」
狸「もう決まってることだから。じゃ」
俺「ちょちょちょちょ・・・おい」
狸「何?」
俺「ぜんっぜん意味がわからない」
それで>>1には彼氏のふりをしてほしいの」
俺「どうして俺が」
狸「だって先生の次に>>1があたしのことよくわかってくれてるもん。
こんなこと言えるの>>1だけだよ?本当感謝してる」
俺「そうじゃなくて」
狸「あたしに男ができたってわかったら、先生も放っておかないと思う」
俺「は?」
狸「絶対あたしはなくして惜しい女だって気づくし。嫉妬させたいの!」
俺「あのさ、わかってると思うけどそっちまで行くのどれだけ大変かわかってる?」
狸「来なかったら死ぬ。じゃあばいばい」
俺「ちょっ」
死ぬって言う言葉に弱い俺はしょうがなく行くことした。
始発の電車乗ってバス乗り換えてまた電車に乗って
やっと2時くらいにたどり着くところ。
一度も行ったことがないのに
人の命惜しさに行ってしまう俺ってお人好し☆てへぺろ
気持ち悪いのはさておき、指定された喫茶店とやらに到着した。
若干遅刻しているので狸と例の先生はもう来ていた。
そこまでは想定内だった。でも信じられない光景を目にした。
例の先生って奴が、どう考えても見たことのある顔だった。
俺の姉貴の旦那だった。
信じられないというかもう恐ろしさと気持ち悪さで頭が真っ白だった。
向こうもそうだったらしい。
最初こわばっていた表情が本当に固まっているかのようにさーっと青くなっていた。
「ちょっと俺トイレ」
とにかく逃げた。真面目に吐いた。
狸の言っていることが事実だとしたら、
あいつは姉貴を裏切って生徒に手を出したっていうことになる。
確かに、スキーに一緒に行ったのもそういうような理由だった。
本当は2人夫婦水入らずで行こうとしたが、姉貴が
「最近単身赴任先に入らせてくれない(旦那は赴任先の学校のところへ単身赴任している)」
「浮気しているかもしれない」などと言ってきたので、
それとなく探ってほしいから俺も連れて行かれたのだった。
俺は「どうせのろけだろう」と本気にしていなかったし、
実際スキーだって二人で楽しそうに滑っていた。
そのスキー場で俺は狸に出会ったんだし・・・。とにかくどうしたらいいんだよ・・・。
そのとき携帯が鳴った。旦那からのメールだった。
「他人の振りをしてほしい」
狸「遅かったじゃん、>>1」
満面の笑顔で狸が俺を迎え入れる。
その向かいにはますます強ばった顔の旦那がいる。
ちなみに姉貴の旦那は体はダルビッシュで顔はジャッキーチェン。(以下ダルジャ)
狸「>>1ってば超かわいいんだけど~」
必要以上に狸が近づいてくる。おそらくダルジャに見せつけているのだろう。
狸「今日だってさ、あたしは別にもうダルジャのこと忘れてるのにさ、
一人の男として許せないとか言っちゃってー。
だからさっきも言ったけど、ダルジャに言ってやりたいとか言っちゃっててー。
愛してくれてるんだー、ね?」
俺「ん、うん」
そういうことになっているらしい。
狸「あたしは別に会いたくなかったよ。でも>>1がどうしてもって、ねえ?」
俺「未成年に」
ダルジャが俺の方を見た。
俺「未成年に手を出すのは、どう思ってるんですか」
ダルジャが小さく口を開いた。
ダ「本当にいけないことだと思っている。人としてしてはいけないことだと」
俺「でも手を出した」
ダ「そうだ。そうしてしまった」
俺「傷つく人がいるとか考えなかったんですか?」
狸「そうだよ。あたしはすごい傷ついた」
俺「でも法の裁き、とか、受けるつもりはないんですよね」
ダ「できれば穏便に済ませたい」
俺「教師としての職が惜しいからですか。名誉が傷つく・・・みたいな」
ダ「そんなんじゃない。妻を傷つけたくない」
狸「あたしだったら傷ついてもよかったっていうの?」
だからおまえじゃ(ry
申し訳ない。本当にすまなかった」
俺「あね・・・奥さんにばれたくないってことですよね」
ダ「それだけは・・・本当に勘弁してほしい。本当に申し訳なかった」
俺「俺は、許せないです」
もっと、守るべき者があるのに、あるくせに・・・。結局自分が大事なんじゃないですか」
ダ「・・・」
俺「俺は許せないです。でも傷つけたくない。だから言いません」
ダ「本当にすまなかった」
狸「ほらね、>>1はね、あたしのことすっごく大事にしてくれてるでしょ。
ダルジャなんかよりずーっと。愛してくれてるんだよね。
ダルジャなんかより懐も深いしね。
かっこいいしね、考えだってしっかりしてる。今日も超かっこよかったよ」
そのあとも狸がのろけのようなことをダルジャに聞かせ続け、
結局何もせず終わった。家に着いてからも事の大きさに震えていた。
落ち着いてくるとだんだん怒りがヒートアップしてきた。
姉貴に言ってやりたいという衝動にかられた。でも我慢した。
姉貴は絶対傷つく。普段は俺よりも年上だからって意地はったり偉そうにしてくるけど、
結構打たれ弱いのは俺は知っていた。
ましてやこんなことがあって、傷つかない人間がいるはずもない。
もう関わりたくなかった。墓場まで持って行こうと思った。
狸には「このことに俺はこれ以上関わりたくないから自分でなんとかしろ」と伝えた。
平和に物事が過ぎ去ってほしいと思ったとき、電話が鳴った。
ダルジャからだ。
ダ「あ、>>1くん、今日はすまなかった」
俺「・・・」
ダ「>>1が狸の彼氏だとは知らなかったよ」
俺「俺もダルジャさんにそんな趣味があるなんて知りませんでしたよ」
ダ「・・・」
ダ「今日のことだけどね、わかってると思うけど」
俺「言いませんよ。言われなくてもわかってますよ」
ダ「うん、本当に申し訳ない。すまない」
俺「でも、姉貴のためですからね」
俺の声が震えてきた。
今もずっと・・・。だから・・・ダルジャさんも姉貴を裏切ったりとか、もう・・・絶対」
何故か俺は泣き出してしまった。泣きながら義兄に訴えかけた。俺かっこ悪い。
ダ「本当にすまなかった。本当に、本当にごめん。ごめん」
俺「詫びる気持ちがあるなら姉貴にいってやってくださいよぉ」
ダ「ごめん・・・ごめん」
ダルジャも泣き出した。
緊張の糸がお互いに切れたみたいに、男2人が泣きながら電話をした。
よく考えるとその図は相当気持ち悪い。
許すことはできなかったけど俺は電話を切った。
ダルジャも反省しているみたいだったし、
これを期に気持ちを改めて姉貴を大事にしてくれるようになるといいなと思った。
うん、思っていた。
母からつてで聞いたが、
16、7の女の子が家に上がり込んできて
「別れないと死ぬ!」とか喚きだして、家の中が修羅場と化したそうだ。
言われなくてもわかっているだろうが、その女の子っていうのは狸だ。
俺はその後狸とは連絡を取らない(メアド変えた)ようにしたので
本人から聞いたわけではないが、9割方狸だろう。
母も姉貴から詳しく聞いたわけではないが狸だけではなかったらしい。
何人もそういうことがあって、姉貴も心当たりがあったらしく別れることにしたらしい。
ダルジャは懲戒免職になったらしく、
その後はちっちゃな村でボランティアとかやってるって聞いたけど、
今はどうなっているのは詳しいことは知らない。
狸はもともとメールでしかやりとりはしてなかったし、
そのまま音信不通でどうなってるのかこちらも知らない。
言えるのは、姉貴は戻ってきた当初は憔悴しきってるみたいだったが、
今ではすっかり元気になって年上は懲りたから今度は年下にしようかな
とか言って俺の同級生をあさろうとしているようだ。
姉貴は打たれ弱いけど立ち直るのも早い人間だった。
今は平和に過ごしている。
メンヘラ女編完
根っからのロリ●コン教師だったんだろうな。
エロいかどうかはわからないけどあおい編なら続きがある。
でも書きためここまでだから長くなるけどいい?
家族旅行とか行ってるんだからわりかしよさそうだけどな。
それじゃ続あおい編
高2になってからクラスがかわってしまったし、
あのことがあってからメールもしなくなった。
お互い気まずかったし、
そういう関係になるっていうのはなんだか違うなって気もしてた。
だからお互いがお互いに遠慮していたんだと思う。
やっぱり気になってしまうんだよね。
行き帰りの電車で一緒になることはしょっちゅうだし、
クラスは違うっていってもほぼ毎日顔は合わせる。
今まで何気ない日常だったのに、
どうも気になってしまう。
あおいを目で追ってしまうようになった。
それで顔が隠れちゃうんだけど
笑うと結構顔が見える。
そうするとかわいいことがわかるんだよね。
あと眼鏡もかけてて、よく見ると鼻筋とかも通ってるし、
伏し目がちに本とか読んでるところとかもみるとまつげも長い。
笑顔がかわいいなって思ってたけど、
普段の顔だってかなりかわいいんじゃないかとか思い始めていた。
あんな風になったあとなのに俺ばかじゃねーのってなった。
通学してるとだいたい座る位置とか立つ位置とか
決まってくるんだよね。指定席、みたいに。
俺やあおいにもその指定席があった。
だけど夏休み明け、
その指定席にあおいがいなかった。
別の車両にいるかもしれないと思って
駅に降りるときゆっくり歩いてみたりとかしたんだけど、
見あたらなかった。
あおいはいなかった。
何かがあったなら噂なんかになってるかと思ったが
そういうわけでもないらしい。
だからって誰かに聞くのはわざとらしくて嫌だなとか思った。
でも別に気にしてるとかそういうわけじゃないんだけどさ、
とか自分に言い訳しながら結局誰にも聞けなかった。
夏休み明けすぐに球技大会なんだけど、
学校祭の次に盛り上がるのがその球技大会なんだ。
球技大会の開会式とか閉会式とか大々的にイベントみたいにやる。
そのとき、クラスの抱負なんかをHR長が言うんだけど、
あおいのクラスのHR長の男がなんかにやにやしながらステージ上っていた。
男「HR長として、クラスを引っ張っていける存在になりたいです。
それと・・・えっと同じクラスの宮崎あおいさん」
会場がざわっとした。俺の背中もざわっとした。
男「もし、この大会で優勝できたら俺と付き合ってください!!」
会場がいっそう盛り上がった。あおいって誰だよー。みたいになって、
おそらくクラスの女子と思われる集団がキャーキャー言って沸いていた。
その中央にいたのが
あおいだった。
何これフラグじゃないといいんだが
あおいは髪の毛をボブまで切っていて、眼鏡からコンタクトになっていた。
前よりも顔がはっきり見えて、すごくかわいくなっていた。
というかかわいさが増して見えるようになった。
ものすごく驚いた表情をしたあおいは、俺が知ってるあおいの顔だった。
そういえば、今日の電車のあおいの指定席に乗っていた人も
ボブの髪型だった。
勝手にいなくなったとおもっていたあおいは、ただ姿を変えていただけだった。
あおいは俺が見えないような人波に潜り込んでしまった。
こういうのを呆然って言うんだろうな。
俺は立ち尽くしてた。実際座ってたから座り尽くしてたとでも言うんだろうか。
かわいくなっていたあおいに正直ドキドキした。
そしてあの「付き合ってください」のHR長を思い出していた。
他人に堂々と告白されていたあおいの戸惑った顔。
なんだかもやもやした。
いつもの指定席にやっぱりあおいがいる。
1年ぶりくらいに、あおいに声をかけることにした。
あ「んっ、わっおはよう」
俺「雰囲気、変わったね」
あ「あ、髪の毛ね」
俺「眼鏡も」
あ「うん、コンタクトにした」
俺「目乾かない?」
あ「このまま寝ちゃうとやばいよ」
俺「目薬ちゃんとしないとな」
なにいってんだ俺。
俺「久しぶりーだねー。だわー」
あ「んふふ」
俺「・・・」
あ「・・・」
俺「あのさ・・・」
電「まもなくぅー△△駅ぃー降り口はぁー」
でんしゃああああああああああああああああああああああああ
何やってるんだろう俺、
あおいから告白された後冷静で、
今冷静になれないって
何やってるんだろう俺。
正直言うとあのHR長とどうなったのかがものすごく気になっていた。
そのことを聞きたかったのだがどうもいかずしっちゃかめっちゃかしていた(頭の中)。
なんであのとき聞かなかったんだろう
と夜な夜な想いとともに営みに励んでいると電話が鳴った。
狸からだった。
なわけがない。
あおいからだった。
よし、頑張るぞ。見てくれてありがとう。
俺「もっもしもし?」
あ「もしもし、あ、今大丈夫?忙しい?」
俺「いや、大丈夫だよ(パンツ履かなきゃ・・・)」
あ「んふふ、よかった」
俺「うん、(モゾモゾ)」
俺「あーそうだね(よし、片手で履けたぞ)」
あ「話しかけてきてくれたからびっくりしたよ」
俺「俺の方がびっくりしたわ」
あ「どうして?」
俺「雰囲気ちがくて」
あ「そんなにかな」
俺「そんなにだよ」
あ「そんなにですか」
ふぅ・・・いろいろとスッキリ。
俺「そんなびっくりするかね」
あ「びっくりするよ」
俺「なんでやねん」
あ「だって嫌われたと思ったから」
俺「俺が?それこそなんでやねん」
あ「んー・・・だって、あのことの後からなんにも、ねえ。
喋らないし、メールもしないし」
俺「あー・・・まあね」
あ「だからびっくりしたし、嬉しかった、んふふ」
俺「あのさ、全然関係ないんだけどさ」
あ「はいはい?」
俺「あの、あの人とはどうなったの?」
あ「あの人?」
俺「球技大会のーほらね、ね?」
あ「あー、HR長くんですね・・・」
みんなの前で告白してもらうっていうか、そういうの」
あ「そうかなあ?恥ずかしかったよ」
俺「でもうまくいけばなーとか・・・ね?はは」
あ「断った」
俺「え?」
あ「断っちゃったんだ」
俺「あ、あー、そうなんだ。振っちゃったわけかー、あー、あは」
若干テンションあがる俺。
俺「あおいも意外と大胆なことするなー」
あ「大胆?」
俺「いや、まー、あんなにかっこいいしさ」
あ「うん、・・・この話は終わりにしませんか」
俺「終わりにしちゃいますか」
あ「しちゃいます」
俺「ならばしましょう」
あ「ありがとうございます」
俺「いえいえ」
なんだ俺。漫才か。
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