1年間、山で監禁されてて先月社会復帰したけど質問ある?
後半調子を落としたことにより
俺の自分のつけている収支ではプラス120kだった
胸をはれる金額ではないが先月のとてつもないマイナスに比べると精神的には楽だった
安達さんからメンバーの発表がある。
俺は確か8位だった。
他のメンバーも調子悪いみたいだった。
その月はグループ収支50万を切っていた
先月みたいな俺だけずば抜けて悪い成績では無いのでビールが美味かった
藤本が安達さんと何か話をしている
「おい、山本。お前、今月こんだけグループの収支が悪かったのに
明るくビール飲めるな?舐めてんのか?」
藤本が文句を言ってきた。
内心、藤本に対して恐怖心が凄かったのだが俺はここで舐められちゃいけないと思い
「すいません。」と、ムスッとしたような態度をとり藤本を睨みつけた
勝った。やってやった。俺はそう思った
藤本からまたパンチを喰らう
山本も、性格悪くね?
「お前、生意気な態度とってんじゃねーよ!どれだけ皆に迷惑かけたかしってんのか?」
ここで俺もぶちぎれてしまった。ここで切れなかったら一年棒に振らなかった
「おい。藤本さんよー、ここじゃ皆に迷惑かけるから表で話しましょうや。俺あんたとは一度じっくりはしたかったんや」
怒りすぎて記憶にないんだがたぶん、こんな感じで話してたと思う。
藤本の髪の毛を引っ張り表に引きずりだそうとする
「おい!山本!」
安達さんが怒鳴る。
「すいません、安達さん。殴らせてください。抑えがききません」
「うるさい!落ち着け。お前首だ!藤本に手を出すな!」
クビ?こんなに一ヶ月頑張ってきたのに精神的に自分を追い詰めいてきたのに…
その場で藤本の顔面を蹴り上げる
頭に血が昇り藤本に蹴りを入れたがとりあえずそこで頭の中は冷静になるが
俺は脅すように安達さんにどいうことですか?!と尋ねる
「もう先月の負けでお前の解雇は決まっていた、ただそれは余りにも可哀想という
藤本の申し立てにより、お前を一ヶ月様子を見ていた。今月は金額はプラスになったが
お前は恩人の藤本の気持ちを知らず、藤本にはむかう様な視線を常に送ったり
今日に限っては暴力だ。お前は使えない。輪の空気を乱す。お前がいたから
プラスもたいしたことなかった、藤本がお前に指定していた台は一番自信がある台を
お前に打たせていたんだ、収支は100万くらいになっていてもおかしくない
お前が悪い。清算してもらう」
まあ、こんな続けては言ってないが様は藤本が俺に助け舟を出していたのに
自分で全て失わせたわけであります。
山本ぉー、お前ただのクズじゃねーか山本ぉー
>藤本が俺に助け舟を出していたのに
自分で全て失わせたわけであります。
ばかなんだなー
なー
でももう頭に血が昇っててなんでも聞いてやるよ!明日に50万揃えればいいんやろ!?(無理)
みたいな口調で安達さんに食ってかかった
でも安達さん、俺が無職なのしってるし、俺の住所やアパートの名義が会社なのも知ってる状況だから
お前がすぐに50万揃えるのは無理だろう。働け。働いて50万補填しろと言ってきた
「働けって言っても、またスロですか?今度はゴトでもしろっていうんですか?!」
「お前、若いし体力はあるだろ。お前の大好きな建築関係だ。そこで働いてこい」
また金田さんがいる前の会社で働けっていうのか?
それともこのおっさんあてでもあるんか?
という感じでその話を聞いた。
「避暑地にお忍びで有名人達が来れる、リゾート地を作っている。お前はそこで働いて来い」
「金田さんの繋がりですか?」
「行けばわかる。明日、お前のうちに迎えに行く。逃げるなよ」
もう嫌な予感しかしなかった
でももう腹をくくるしかなかった
逃げるのは簡単だが実家に連絡いくのは勘弁だし
ここで逃げるとこのグループに一生食いものにされそうで、行くとしか言えなかった
「アパートの部屋代もお前の給料から引いておくから、安心しろ。金田にも言っておく」
でもまあ、また建設に戻るだけだし、50万ならすぐに返せるし
半年くらいで縁が切れるならそうしよう。
最悪、働きはじめたらサラ金から借りて50万返そう。
そんな楽天的な感じで俺は、長野への準備をしに家に帰った
冷蔵庫の中身を掃除したり、部屋の掃除をした。
建設業は良くキツイしごとと思われがちだが
実はそこまでキツクない。
俺がキツイと感じたのは夏の暑い中での炎天下の作業か
現場が遠くて満員電車が苦痛だったことくらいだ。
とりあえず、使いそうなラチェットやドライバー、番線カッター等
着替えなどの準備をしてその日は明日に備えてゆっくり寝た
約束では9時だったはずだが、池谷は6時に部屋に来た
「おい、いつまで寝てんだよ。おきろよ!」
池谷は年は30歳くらいのどう見てもDQN丸出しの男
ズボンはスウエットを履いており上はスカジャンを着ていた
非常識だなと思いつつ
「すぐ準備しますので」と言い
部屋の電気、ブレーカー、水の元栓、全て確認し
池谷が運転する車に飛び乗った
「おせーよ。いわすぞコラ」
やっぱり性格も最悪みたいだな。と思い俺は黙って車のラジオを聞いていた
一時間走った頃だろうか
「おい。次のパーキングエリアでお前、後ろのトランクに入れ」
は?
意味が分からなかった。
「冗談ですよね?w」
「お前、俺が冗談いってるようにみえるの?」
冗談じゃなかった。俺は言われた通り、トランクの中に入った
「携帯は俺が持ってるから」
池谷は俺から携帯をとりあげた
狭いトランクの中で助手席では吸えなかったタバコに火をつけ
俺どうなってしまうんだろう、大丈夫なのかなと思いながらタバコをふかしていた
ここで後に作業で迷惑をかける島田さんが搭乗することになる
「おい島田!はやくのれよ!迷惑なんだよ!」
池谷が島田さんに罵声を浴びせている。
島田さんは泣きながらヒイヒイ言ってるようにも聞こえた
島田さん建築に相当なイメージを抱いているんだな。
でもこれから行くゼネコンはそうとう悪質な会社かもしれない
こんなヤクザみたいなやつがいる業者を使っているんだから、そうとうブラックかもな。
などと考えながらトランクの中にいたのだが
自分の考えてた世界に行こうとはこの時は思っていなかった
「○人事件の被害者になるな俺」とか思わなかったのか?
前フリ長すぎた
もしその間に埋まったら次はその日暮し板にたてるから
そこで見てください
質問も受けつかないとな
時間はわからなかった
「ついたぞ!島田!目隠しとれコラ!手錠も外すから動くな!」
島田は手錠!?そこまでするのか?まあでも途中逃げられたら池谷も大変だもんなと思いつつ
俺のいるトランクを開けられた
「早くでろ!…お前、タバコすわんかったか?こんなかで?」
「いや?吸ってないですよ?匂います?」
「気のせいか。早く降りろ!」
もし吸ったなんてあの時言ってたら半殺しにされてたかもしれない
とりあえず外に出て辺りを見回してみる
リゾート地の工事と聞いていたがそんな感じではない。
山の中の沼地でけしてそんな感じの所ではないと言う印象だった
「歩け!」
池谷に言われ、場内に入っていく
〇〇建設?聞いたこともない名前だな。
工事現場では10人程度しか作業をしていなかった
作業員の見た感じはけして職人という感じではなく
くたびれたおっさんばかり。
これで本当にリゾート地を作れるのか?
しかもまだ更地にしてるだんかいじゃないなかと言う思いだった。
「お前ら、今から誓約書書いてもらうから事務所まで来い」
池谷に言われて島田と事務所に向かう
「失礼します」
入ってみるとそこには現場監督らしき男が一人、テレビを見ていた
「おう来たか。まあ座れや」
パソコンも何もない事務所。
これで本当に活動できてるの?っと思うほどの何も無い事務所だった
「山本と、島田な。山本は現場で働いてたと聞いたが本当か?」
「はい。3年くらい経験があります」
「そうか。島田はないんだな。じゃあ、ここにサインして。」
サインを終え、池谷に現場の説明を受ける
「答えられる質問にはな」
ニヤニヤしながら池谷が俺の方を見る
「工期はいつまでなんですか?後、作業員はこれで全員なんですか?」
「作業員はこれで全部だぞ、お前ら合わせて12人」
工期のことについては答えてくれなかった
「お前らは明日から働いてもらうからな。そうだ、言い忘れてたが
お前らの日当は2万な。もちろん飯代と住居費は引くが」
2万!それならすぐに50万の補填くらいできそうだ!
住居費は最悪一日3千とられても、飯代は一日2千がいいところだろう
一万五千はうくじゃないか!
なんだ優良会社なのか?と思いつつ
寝泊まりする部屋につれていかれる
ぜひ最後まで書き上げてほしい
寝泊りする部屋につれてこられるとそこは20畳くらいのプレハブ小屋の2階だった
一応、畳は敷いてあるが臭い。畳がくさっているのもあるが
酷い汗臭さだ。獣のような匂いもする
「すぐになれる。とりあえず布団と食器類を渡すから下についてこい」
池谷にそうは言われたがとてもじゃないがすぐになれそうな匂いではなかった
一階で池谷から布団を渡される
俗にいうせんべい布団。安物だな
食器も一式渡される。
「じゃあここサインして」
サイン?貸し出しなのか?
誓約書をもらい読んでみる
布団一式 一日1000円
食器一式 一日 300円
はあ?
こんなのにも金とるの?
ちょっと待てよ。計算がだいぶ狂った
「すいません、これ二つで一日1300円するんですか?」
「毛布もほしいならいえよ。毛布は一日700円だ」
これは計算がだいぶおかしくなりそうだ。部屋代も聞いてみた
「部屋代?一日3000円だよ」
ほっとした。それでも一万五千が一万3700にまで落ちたのだから堪らないが
「自販機とかもはここにあるから」
プレハブの裏に自販機があるのでみに行ってみると
スーパーで30円くらいで売ってそうなジュースが300円
コーヒー450円 炭酸400円 ビール1200円
ホテルの自動販売機も真っ青の値段で売ってある
一応タバコの自販機もあるがそれは正規の値段で売ってある
とりあえずタバコを買おうと思い300円自販機にいれる
でてこない
近くにいた池谷に出てこないと伝えると
売り切れセンサーが壊れており、お金を探知しても商品は出てこないのもあると言われる
(あとから分かったことで5割ででてこない)
「お前ら、今日は歓迎会するから一芸の練習してろよ」
一芸?困ったななにもないぞ・・・
とりあえず部屋の中に入り窓を開けようとするも開かない
全部外からロックがしてある。2階なのであけようがない
匂いがたまらないので換気扇をつけようとするもコイン入れがついている
5分200円
信じられない。これだからこんなにも匂いがこもるのか。
とりあえずタバコに火をつけて島田さんと話してみる
島田さんはバカラで作った借金でここにきたらしい年は40とのことだ
借金の金額を聞くとおよそ400万
完全に詰んでいる。
ジュースは高くて飲めないから水を飲みに水のみ場に行く
紙コップが一つ30円で売ってある。
水に関しては1分100円のコイン方式だ
これでは満足に歯も顔も洗えない
でも、極力我慢すればどうにかなるものだろう
シャワールームを覗いてみる
5分水1000円 5分お湯2000円
信じられない。シャワーもろくに浴びれないのか
これは水道で体を拭くしかないなと思い
くだらない一芸を考えつつ歓迎会の時間になった
警察行ってなんて言うんだよ
監督が拡声器を持ってはいー。終了ー。おつかれさんー。と言いながら歩いてる
池谷が「降りろ。お前らもしたの飯の準備手伝え」と言って部屋に入ってきた
どうやら食事は池谷が用意してるらしい
「どうだうまそうだろう。今夜はすき焼きだ」
けして美味そうな肉でもないし、これは山からとってきた野草ではないのか?
っていうほどおそまつなものである。
作業員達が帰ってきた
「お疲れ様です!」
作業員達は池谷に大声で挨拶する
「おう。くせーからあんまよんな」
池谷と、作業員はかなりの上下関係があるようだ
「両替おねがいします!」
作業員がそう言うと池谷は財布から千円札十枚取り出し床に投げ捨てた
「早く、金拾う前にこっちにわたせよ!」
「はい!すいません!」
この時はこいつ最低だなと思っていたが
自分もすぐ後には池谷との上下関係にしたがってしまう
とりあえず俺達の歓迎会が始まった
集まった人数は監督、池谷含めて18人
あれ?作業員は俺達合わせて12人で監督達合わせても14人のはずだが…
残りの4人はウロウロ監視してる役らしい
「とりあえず。食おうぜ」監督がそう言う
監督と池谷は俺達16人とは違う食べ物だ。池谷がガストか何かで
買ってきた弁当やら惣菜やら揚げ物だ
「いただきます…(うわ、やっぱりくさい)」
なんとも言えない野菜の青臭さはやはり野草というかなんの食べ物かわかったものじゃない
そこで自己紹介と共に一芸を披露しろと言われる
皆に自己紹介した後。俺は適当に小島よしおのマネをした。
あんのじょうまるっきり受けなかったが。
島田さんはいっこく堂のマネをしていた。
全然、声が遅れてなかったし哀愁すら漂っていた。
「おう山本!酒のめ!」
「はい。いただきます」酒一杯700円
「卵どんどん使え!」
「ありがとうございます」卵一個350円
清算の時に驚く金額になる
だいたいの人の名前も飯の場で聞く
植木さん(仮名)が俺の酒を一杯でいいから飲ましてほしいとせがんできた。
まあこれから短い間だけどつき合うしいいかと思って一杯おごった。(この時はお金が発生してるとは知らず)
植木さんの年は50くらいだろうか?もっといってるかな?
とりあえずやせ細り、体に病気があると言ってもおかしくはないほどの体格だった
一番、若いのが俺で27。次に村上さんが30後半という感じ、島田も若い部類に入っていた
歓迎会は約2時間でお開きとなった
池谷にコピー用紙を渡される
「はい。これね。給料から引いておくから」
部屋使用料2時間15000円
電気水道ガス光熱費4000円
すき焼き2000円
鍋使用料2時間3000円
酒代6300円
卵代1050円
消費税5%
え?ざっとの計算だがこれだけで3万円??
わけがわからなかった
「え?これって。。。」
「金が発生するのは当たり前だろ」
池谷はそういうと作業員ではない4人に指示を出す
どうやら言っても話を聞いてもらえそうに無さそうだ。
あの4人はなんなんだろう?
監督側の人間としては扱いが悪いし
いや、そんなことよりこんな金使わされていたら50万補填するのにも
半年以上かかるここは慎重にお金の使い道を考えよう
部屋に戻り一番話しがわかりそうな村上さんに色々聞いてみる
「僕、少し建築の世界にいたんですが今の状態だと完成には何年かかるか
わかりません。本当にあんなペースでいいんですか?」
「いいんだよ。俺達はただ掘り返して埋めて、掘り返して不要な石やらとって
埋めての繰り返しなんだから。。。」
俺は耳を疑った
「掘り返すだけって、ここに建設物をたてるんじゃないんですか?」
「いや、掘り返すだけさ。ただ将来的には何か建造物が建つらしいよ」
話が読めない。
村上さんに聞いても俺にも工事の詳しいことは分からないんだと言われる
島田は一人ふさぎこむようにタバコを吸っている
植木がタバコ一本くれと言ったらすぐ渡しているようだ
今からの地獄の事を考えてしてない行動に俺は島田に腹が立った
そんなに簡単にあげてちゃ、すぐなくなるだろ!
その日は酒の力もあり布団に入るとすぐに寝てしまった
俺は警戒心から財布を布団の下にいれて寝た
次の日の起床時間は6時だった
案の定、次の日島田の財布からお金が盗まれていた
昨日の確認メンバー4人のうちの一人だ
池谷がやってきた
「よし!点呼するぞ!名前呼ばれたらすぐ返事しろ」
池谷が一人ずつ名前を呼んでいる。
逃亡者確認なんどだろうか。
点呼が終ると、よしお前ら朝食前の洗顔、歯磨きだ!と言い
強制的に顔と歯をアラワセル
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