少し昔を語りたくなったよ。
4年前の冬。
当時
俺28歳。サラリーマン、営業。
女27歳。強いていえば絢香に似ている。
以下、あやか。
仕事で某小売店へ。
二号店 的な感じの店で、その当時はあやかがひとりでお店を任されていた。
はじめて行ったときは挨拶程度。
何回か通ったタイミングで
「一緒にご飯食べ行きませんか」と一緒にケータイのアドレスを渡して店を出た。
返信がきた。
「食事はごめんなさい」だった。
その後もめげずに仕事ではなく、個人的な買い物を口実に彼女に会いに行った。
「聴いてみて」ってお店にCDを置いてきた。
次行ったら偶然お店で俺が置いていったCDを流してくれてた。
「聴いてますよ」
って笑ってくれた。
ある日
「コーヒー飲みます?」
と飲み物を差し出してくれた。
他にお客さんがいないときは、お店に行くたびにコーヒーを飲みながら談笑するようになった。
会って2ヵ月後。
一緒にご飯を食べた。
少し緊張した。
出会って3ヶ月。
本を貸してもらって読んだりもした。
メールが来た。
「お客さんから野菜をもらったんだけど食べませんか?」
これ、田舎ならではw
メール返した 。
「えー?野菜とデート?野菜も捨てがたいけどそりゃデートを選ぶでしょもちろん!」
「コーヒーデートいつもしてるでしょ?お店閉める前に取りに来てくださいね」
そんなやりとりが結構あった。
その当時、SNSで親しい友達限定で公開していた日記を掘り起こして書いてます。
出会って6ヶ月。
思い切った。
俺「映画観にいこう」
あやか「でも休みがあわないでしょ?」
俺「そんなもん合わせるし!どだ?」
あやか「いいですよ」
コーヒー飲んでる手、少し震えてたかもwww
見切り発車的にスレを立てっちまったが、これおもしろくねーな。
ま、いいや。
ひとりごと続ける。
そんな長くないし。
数日後、
「映画何観ようか」
映画、何を観るか話しながら脱線した会話にも花が咲いた。
話の流れで
「1さんは彼女5人くらいいるしね」
と彼女は言った。
彼女がいるかと言われたら
[5人くらいいる。]
と強がりを言うのが俺の口癖だった。
もちろん彼女は俺に彼女がいないことは知っている。
泣ける話かな、、
ありがとう。
泣けないし、つまらないかも。
サーセン
パンツ履いて。
その期待には応えられない。
サーセン
その流れで
俺「ところであやかちゃんは彼氏できた?」
あやか「できました」
?
????
カレシ?
デキタ?
!!!!!
は?
俺「へ?・・・・ええと、、いつから?」
あやか「1ヶ月くらい前です」
動揺
俺「か、彼氏いるのに映画怒られない?」
そのあとも平静を装って会話を続けた。
でもあんまり覚えてない。
別にね、
そこまで落ち込んではないはず。
映画がてら紅葉ドライブを企てていた自分がアホらしくてwww
ぬるくなったコーヒーを飲みほして店を出た。
「おめでとう」を言えずに店を出た。
映画約束日数日前。
俺「やっぱりさ、彼氏に悪くない?映画とかさー。」
あやか「その件なんですけど、、、」
俺「どした?」
あやか「彼に聞いたんです。こういうときは隠して欲しいか、ちゃんと話して欲しいか。」
俺(こいつあほか)
俺「で?」
あやか「彼は、『別にやましい気持ちがないなら隠す必要がないでしょ。俺だったら話すよ』って。私も同じ考えだったんで、映画に行くことを彼に話しました。」
俺「男と映画に行くって言ったの?」
あやか「はい。彼、『行っておいで』って。」(ニヤニヤ)
俺(え?それノロケてんのか?分からん。)
あやか「ふーん。ならいいけどさ。」
俺(え?俺!ほんとに行くのか?だるくない?)
あやか「1さん、映画のついでに買い物に付き合って欲しいんです。」
俺「別にいいよ。」
あやか「よかった。友達の誕生日プレゼントと、私の部屋にダストボックスが欲しくて。」
俺「あーそう。いこういこう」(棒読み。)
そして映画前日。
e-mail
俺「明日よろしくね。」
あやか「位置さん、カフェ好きでしたよね?帰りに○○カフェに寄りません?」
?
ちょ!
ここにきて。
「位置」さん?
俺の名前は「1」だし。
ケータイの誤変換とはいえ、
このタイミングで名前を間違えられる。
コノヤロウ・・・・・
空しいとです。
映画デート当日
駅の駐車場で待ち合わせ。
駅で待ち合わせても電車に乗らない。
田舎。
僕の車に彼女が乗車し、いざ出発。
映画の放映時刻はお昼12:00。
最寄の映画館までは車で1時間。
僕らは9:30に待ち合わせをした。
あやか「先にご飯を食べないとお腹がすいて映画に集中できない」
早めの待ち合わせは、彼女からのそんなメールがきっかけ。
車中の1時間。
会話はそれほどなかった。
彼女はずっと、窓の外を眺めていた。
広大な田園、連峰、果樹園。
美しい自然を目の当たりにすると、その度に彼女は息を呑む。
僕は運転しながらそんな彼女の挙動を横目で感じ息を呑んでいた。
あー、かわいい。
でも彼女には彼氏あり。
あやか「マックのクーポン券、持っていきますね?」
これも先日のメール。
僕らは迷わずマクドナルドに向かった。
どうせならもっとうまいもんを食おうよ。
とは、思わなかった。
だって彼女には彼氏あり。
彼女は自分のポテトを、僕の顔を伺いながら差し出してきた。
あやか「sサイズにすれば良かった」
あー、かわいい。
でも彼女には彼氏あり。
映画館は空いていた。
コビトが人間の家を借りながら住まう。
そんな内容だった。
人間のエゴで小動物の大切な場所を奪ってんすよ僕ら。
地球は誰のものなんだろ。
とか考えた。
あやかとそんな話はしなかったけど。
おもしろかった。
映画の後の彼女のテンションは上々だった。
あやか「○○(映画のキャラクター)、可愛かったー。」
誰が可愛いって?
一番可愛いのは誰だよ。
あー、かわいい。
でも彼女には彼氏あり。
そのあとは買い物。
まずは映画館の近くのビル内にある雑貨屋さん。
彼女はアロマに興味があるらしい。
パソコンのUSBポートに差し込むと匂いを発するアロマ。
それを友人への贈り物にするという。
自分用にと小瓶に入ったアロマを眺めていた。
あやか「これと、これと、これ。1さんはどれが好き?」
グレープ、ストロベリー、パイン。
俺「朝、出かける前はグレープ。寝る前にストロベリー。休日の読書はパインかな」
サムイ、なんか俺、サムイ。
彼女は俺のコメントを聞いていたのかいないのか、完全に無視。
グレープを手にとりレジスターへ向かった。
最後までストロベリーとグレープとで迷っていた。
自分はストロベリーのがほしい。
でも私は別のアロマ買うし友達にはグレープが似合うから。
と。
数百円だし、自分の分のストロベリーも買えばいいのにね。
あとから分かったことだが、あやかはけっこう給料が安い。
一人暮らしをしていることもあって、無駄な買い物は滅多にしない節約家。
少ないながら貯金もしてる。
しっかりもの。
>>28の続き
次に寄ったのは服屋さんだった。
すでに買うものを決めていたらしく
時間はかからずにいかにも女の子!的なデザインのTシャツ(長袖)を購入した。
少し歩いて入った次のビル。
またもや雑貨屋さんが目的だった。
自分のバッグ、アロマが入った袋、Tシャツが入った袋。
それらをぶら下げながらのショッピングは少し不自由そう。
ひとつ荷物を持ってあげることにした。
その雑貨屋さんでは何やら本を探すらしい。
雑貨屋さんがあるフロアの上の階にはCD屋さんがある。
俺「ちょっとCD見てくる。」
そして僕はCDショップには向かわず、
そのビルから出た。
風邪ひいちゃう><
インフルエンザに注意しろ。
毛糸のパンツ履いとけってば。
ビルから出た俺は最初に寄った雑貨屋さんに小走りで戻った。
ストロベリーのアロマをポケットの小銭で買い、
彼女の荷物である服屋さんの袋に忍ばせた。
今考えると、けっこうキモいことしてるよね俺。
急いで戻ったが彼女はその店にいなかった。
CD屋さんで僕を探していた。
あやか「どこにもいないと思ったら行き違いだったんですね。」
一言、謝った。
実は息が切れていた。
その後は車で移動。
家具屋さんに向かった。
彼女が買ったものは、
ダストボックス、壁掛け時計、こたつ布団のカバーなどなど。
「今のアパートに1年以上住んでいるのに時計がないとかありえないですよねー」
新しく揃えた家具は、
新しく出来た彼氏を迎えるためのものだろう。
商品を目の前に考え込む彼女の表情から容易に判断が出来る。
ムナシイナー
オレ
ナニヤッテンダロー
「ほとんど私の買い物に付き合ってもらった感じでしたよね。
すみませんでした。」
帰り道の途中に寄ったカフェで彼女はそう言った。
スウィーツを頬張る女の子の表情が僕は好きだ。
なんて幸せそうな顔をするんだ。
あー、かわいい。
でも彼女には彼氏あり。
スウィーツは彼女に最高の笑顔をもたらした。
ふと気がついた。
俺にはこの笑顔を作ることは出来ない。
不等号の傾きは俺に向かってとんがり、
スウィーツに向かって広がる。
俺が作り出すことの出来ない彼女の最高の笑顔をチーズケーキが作り上げた。
そうかそうか。
スウィーツに負けた僕は誰にも勝てないよ。
そう思った帰り道。
彼氏ありのオンナを助手席に乗せて自分、苦笑い。
待ち合わせ場所に着き、
お別れ。
「今日はありがとうございました。」
こちらこそ。
家に帰り間もなくすると
あやか「今日はありがとうございました~ 楽しかったです 」
メールにはストロベリーのアロマのことは書いていなかった。
気がついていないのか。
彼女は今回の買い物で友人へのプレゼントも買うと言っていた。
もしかすると、あのTシャツは友達への贈り物かもしれない。
そうすればあのストロベリーアロマはあやかではなく彼女の友人の手に渡ることだろう。
どうでも良いよ。
それはそれでかまわないや。
っていう。
で、
その後、
俺が住むアパートが彼女の店に近いこと。
仕事でたまに顔を出すこと。
彼氏とは遠距離だということ。
も、あって店に行けばコーヒーご馳走になっていろいろ話すし、月2くらいで飯に一緒にいく仲になった。
トモダチってくくりで。
お互い一人暮らしで近くに友達もそんなにいないし、
飯に誘えばたいていは一緒にいける。
ネットで美味しそうな店みつけたら行こうよとなる。
トモダチってくくりで。
あやかはボーナスとか出ないみたいで、
俺の年2回のボーナスのあとはドライブがてら遠くに行ってすこし高級な美味しいもの食べたり。
トモダチってくくりで。
あっちには彼氏がいるし、ちゃんとした告白はしなかったけど何度もアプローチをかけた。
でもあやかはキッパリと振ってくれる。
いつも助手席から。
せめて、あやかがビッチだったら何度かパンツ脱いでるのに俺。
昨年俺が少し遠くに転勤して、あやかが勤める店には行かなくなった。
一緒に飯を食う機会もかなり減った。
でも、俺の夏ボーナスのあとは、恒例のちょっと豪華なご飯食べに行きましょうツアーは敢行した。
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