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地下の丸穴



21 : 地下のまる穴14: 2011/12/16(金) 10:36:31.14 ID:s+XHJkPg0
私のいた世界では名前も聞いた事がない無名の新興宗教団体だったのに、
こちらでは世界的な宗教団体だったのです。
それから私はその宗教の関連本を何冊も買い読みあさりましたが、それは意味がない行為でした。

読んだからといって何も変わりません。
戻れるわけでもなければ、誰かに私の過去を証明できるような事実でもありません。

周りに話したところで「それは意識がなかった時に○○○○が夢に出てきただけだ」
と言われるだろうと思ったからです。

それに、親切にしてくれる新しい家族や友人たちに迷惑や心配をかけたくなかったのです。
せっかく高校にも復学し、過去の話をしなくなった私に対して
安心感を感じてくれている周囲に対しての申し訳なさ、またカウンセリングに通う苦痛を考え、
私は見て見ぬふりをする事にし普通に人生を送ってきました。
17年が経ち、私も今は都内で働くごく普通のサラリーマンです。

ではなぜ今さらこんな事を書き記そうと思ったかと言うと、
先月、私の自宅に封書の手紙が届きました。

匿名で書かれた手紙の内容は
「突然で申し訳ありません。私はあなたをよく知っています。
あなたも私をよく知っているはずです。あなたを見つけるのに
とても長い時間と手間がかかりました。あなたは○○という名前ですが、
覚えていますか?また必ず手紙を送ります。この手紙の内容は誰にも
言わないでください。あなたの婚約者にも。よろしくお願いします」
という内容でした。

○○○と呼ばれても、私にはもはや全くピンときませんが、
以前そんな名前だったような気もします。
手紙が送られてきた事に対しては不思議と恐怖も期待もなく、
どちらかというと人ごとのように感じました。
そして、その手紙の相手は先週二通目を送ってきました。



22 : 地下のまる穴15: 2011/12/16(金) 10:37:07.93 ID:s+XHJkPg0
要約すると「あなたが知っている私の名前は○○です。
あなたは覚えていませんよね?どうやらここにはあなたと
私しか来ていないようです。」と書かれ
「今月25日の19時に○○駅前の○○にいるので、必ず来てください。
あなたに早急に伝えなければならない事があります。必ず一人で来てください」
と書かれていました。

私には○○の名前が誰なのか一切覚えていませんが会いに行くつもりです。
行かなければならない気がしています。
誰がそこに立っていたとしても思い出せないと思いますが、
あの夜のメンバーなら話せば誰なのか分かります。
できればBであってほしいです。

なにが起こるか分からないので、こういう形で書き残そうと思いました。
同じような文面を婚約者と唯一の身内になった妹には残しておこうと思います。
長々と読んで頂いてありがとうございました。